【週刊】がんプラスPickupニュース(2025年1月20日)

2025/01/20

文:がん+編集部

高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫を対象に、DARZALEX FASPRを評価したAQUILA試験の結果を発表

 ジョンソン・エンド・ジョンソンは2024年12月8日、AQUILA試験の結果を2024年米国血液学会年次総会で報告したことを発表しました。

 AQUILA試験は、高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫の患者さんを対象に、ダラツムマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(製品名:DARZALEX FASPRO)と経過観察を比較した第3相試験です。試験の結果、ダラツムマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファでは経過観察と比較して統計学的に有意な無増悪生存期間の延長が認められました。60か月時点で無増悪状態が維持されていた患者さんの割合は、ダラツムマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ63.1%、経過観察40.8%でした。また全生存期間の延長も認められ、5年生存率はダラツムマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ93%、経過観察86.9%でした。

再発・難治性の濾胞性リンパ腫を対象にLunsumioを評価したGO29781試験の結果を発表

 ロシュ社は2024年12月10日、GO29781試験の結果を第66回米国血液学会年次総会および展示会で報告したことを発表しました。

 GO29781試験は、過去に少なくとも2つの標準治療を受けたことのある再発または難治性の濾胞性リンパ腫の患者さんを対象に、モスネツズマブ(製品名:Lunsumio)を評価した第2相試験です。4年間の追跡解析の結果、長期にわたる寛解を示し、完全奏効を達成した患者さんの64.0%が45か月時点で生存し、病勢進行が見られませんでした。全患者さんにおける全奏効率は77.8%、完全奏効率は60.0%でした。一般的に治療が困難とされる、初回治療から24か月以内に病勢進行歴がある患者さんでも同様の結果が見られました。主な副作用は感染症で、前回の解析以降、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

肝臓がんを対象にマイクロ波焼灼療法とラジオ波焼灼療法を比較した臨床試験の結果を発表

 東京医科大学は2024年12月23日、肝細胞がん治療においてマイクロ波焼灼療法と従来のラジオ波焼灼療法の有効性を比較したランダム化比較試験の結果を発表しました。

 この試験では、240人の肝細胞がん患者さんが登録され、最終的に、119人の患者さんがマイクロ波焼灼療法、117人の患者さんがラジオ波焼灼療法で治療を受けました。2年の局所再発率は、マイクロ波焼灼療法16.4%、ラジオ波焼灼療法30.4%で、マイクロ波焼灼療法が有意に良好でした。2年生存率、肝内無再発生存期間、および肝外無再発生存期間では両治療法で有意な差は認められませんでした。また、両治療ともに重篤な有害事象(グレード2以上)が2人報告されましたが、治療に関連する死亡は認めませんでした。