再発・転移乳がんでも自分らしく生きるには―乳がんセミナー レポート

文:がん+編集部

 再発・転移乳がんの患者さん、医師、看護師らが集い、「がん治療と共に自分らしく生きること」について考える乳がんセミナーが開催されました。

治療に関する周囲の理解や医療経済支援などの重要性を話し合う

 日本イーライリリーは7月17日、乳がんセミナーを開催しました。再発・転移乳がん 治療の概要の説明、「がん治療と共に自分らしく生きること」と題したパネルディカッション、質疑応答というプログラム。今回のセミナーは、再発・転移と診断された患者さんの不安を和らげるために、同社と認定NPO法人キャンサーネットジャパンが共同制作した冊子「LIFE with…大切な人生と向き合うヒント」の発行を受けて開催されました。

 同セミナーは、がん研究会有明病院乳腺センター乳腺内科医長の原文堅先生による、再発・転移乳がん治療に関する講演から始まりました。原先生は、「再発・転移乳がんという状態になるとなかなか根治は難しくなります。しかし、いろいろな薬や治療法が登場したことで予後が伸びています。薬物療法による副作用、医療経済の問題、就労支援の問題などを解決することが重要」と、話しました。

 原文堅先生は講演では、再発・転移乳がんという状態になるとなかなか根治は難しくなります。しかし、いろいろなお薬や治療法が登場したことで予後が伸びています。薬物療法による副作用、医療経済の問題、就労支援の問題などを解決することの重要性に関してお話されました。

 続いて行われたディスカッションでは、ファシリテーターをがん研究会有明病院乳腺センター乳腺センター長の大野真司先生が務めました。ここでは、患者さん、医師、看護師という異なる立場から、再発・転移乳がんの患者さんが「治療をしながら自分らしく生きること」をテーマに語り合いました。「再発の告知を受けて、初めて死を身近に感じることへの恐怖について」「仕事を含めたがん治療中の生活について」「がん治療中のお金について」という3つテーマに関して、質疑応答を兼ねて、ディスカッションは進行しました。

 患者さんとして登壇したのは、NPO法人京都ワーキング・サバイバーの副理事長 米村好美さん。仕事を続けながら治療を続けた体験談を、再発に対する思いを織り交ぜながら話しました。米村さんは、「乳がんと告知された時は、死より胸がなくなるということのショックが大きかったです。2年後に再発の告知を受けた時は死を意識して、真っ白になりました。死を意識したことで、自分の人生でやり残したことがないかを考えるように。それがプラスになりました。職場の休暇制度の活用、互助会からの医療費控除を受けました。また一緒の職場の人たちに、自分ががんであること、どんな治療をする必要があるのかをきちんと説明したことで協力を得られ、仕事をしながら治療を続けることができました」と、話しました。

 大野真司先生は、家族や職場の人の理解、会社や社会のさまざま制度の重要性について、次のように締めくくりました。「最初のがんの告知はショックを受けます。しかし、治るという目標があります。一方、“再発は怖い再発したら治らない”と思いながら治療している中で、再発の告知を受ければ、ショックの度合いは全く違います。がんになっても仕事を辞めない、再発しても仕事を続けながら治療をするためには、会社や社会のサポートが大切です」。