進展型小細胞肺がんの一次治療、テセントリク+化学療法併用をCHMPが承認勧告

文:がん+編集部

 進展型小細胞肺がんの全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)を有意に改善する治験結果に基づき、欧州医薬品委員会(CHMP)は新たな治療法を承認勧告しました。

20年ぶりに全生存期間、無増悪生存期間を改善

 スイスのロシュ社は7月26日、進展型小細胞肺がんの成人患者さんに対する一次治療法として、アテゾリズマブ(製品名:テセントリク(R))+化学療法(カルボプラチンおよびエトポシド)併用が、欧州医薬品庁の欧州医薬品委員会から承認勧告を受けたことを発表しました。今回の勧告は、第3相臨床試験であるIMpower133試験の結果に基づくものです。

 IMpower133試験は、化学療法を受けていない進展型小細胞肺がん患者さん403人を対象とした第3相臨床試験です。アテゾリズマブ+化学療法併用と化学療法単独を比較して、有効性と安全性を評価しました。治療導入期間中は、21日間の治療サイクルを4サイクル実施、その後、病勢が進行するまで、維持療法としてアテゾリズマブもしくはプラセボが投与されました。主要評価項目は、全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)です。

 試験の結果、OS中央値は、併用療法が12.3か月、化学療法単独が10.3か月で、全生存期間の延長が示されました。また、PFSの中央値は、併用療法が5.2か月、化学療法単独が4.3か月で、化学療法に比べて、併用療法は病勢進行または死亡リスクを低下させることも示されました。安全性に関しては、各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致していました。

 IMpower133試験の結果は、進展型小細胞肺がんに対してOSならびにPFSを有意に改善すること示しました。これは20年ぶりのことです。進展型小細胞肺がんの新たな治療法として、早期の承認が期待されます。

 日本においてアテゾリズマブは、2018年4月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果として販売を開始。同年12月に化学療法未治療の扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する用法・用量の追加について承認を取得しています。現在、乳がんおよび小細胞肺がんに対する適応拡大を申請中です。