KdD療法、再発難治性の多発性骨髄腫の治験で無増悪生存期間達成
2019/10/11
文:がん+編集部
再発または難治性の多発性骨髄腫に対する、カルフィルゾミブ(製品名:カイプロリス)、デキサメタゾン(製品名:デカドロン)、ダラツムマブ(製品名:ダラザレックス)3剤併用「KdD療法」と、カルフィルゾミブとデキサメタゾン2剤併用「Kd療法」を比較評価する治験の結果、KdD療法を受けた患者さんで、疾患進行または死亡リスクが37%軽減しました。
CANDOR試験、KdD療法で疾患進行または死亡リスクを37%軽減
米アムジェン社は9月13日、カルフィルゾミブを含む3剤併用と、同薬とデキサメタゾン2剤併用を比較評価する第3相CANDOR試験の結果を発表しました。
CANDOR試験は、再発難治性の多発性骨髄腫患者さんに対して、KdD療法とKd療法を比較した臨床試験です。KdD療法を受けた多発性骨髄腫患者さんの疾患進行または死亡リスクを37%軽減し、主要評価項目の無増悪生存期間を達成しました。データカットオフ時点のKd療法の無増悪生存期間の中央値は15.8か月でしたが、KdD療法の中央値は未達でした。
安全性に関しては、KdD療法は、Kd療法よりも高い頻度で有害事象が報告されました。併用療法で確認された有害事象は、これまで各薬剤で確認された安全性プロファイルと一致していました。KdD療法で最も多く報告された治療に関連した有害事象は、血小板減少症、貧血、下剤、高血圧、上気道感染、疲労、呼吸困難でした。
本治験の臨床研究ディレクターの Ajai Chari医師は「治療の進歩により多発性骨髄腫患者さんは改善されましたが、再発した患者さんには追加の治療選択肢の必要性が残っています。CANDOR試験は、大規模第3相試験で、同じ組み合わせを使用した以前に行われた第1相試験で実証された患者さんのベネフィットを確認しています」と、述べています。
カルフィルゾミブは、再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、カルフィルゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾンの3剤併用療法で製造販売承認を取得し、2016年8月に発売されています。2017年5月、カルフィルゾミブとデキサメタゾンの2剤併用のKd療法で、カルフィルゾミブを1サイクル目の1日目と2日目のみ20mg/m2で投与し、それ以降は56mg/m2で投与する用法・用量で承認を取得。2019年3月には、Kd療法について、カルフィルゾミブの1サイクル目の1日目のみ20mg/m2で、それ以降は70㎎/m2を週1回投与する用法・用量で製造販売承認事項の一部変更承認が行われています。