転移性脳腫瘍を効率よく治療、定位放射線治療特化型リニアックが国内初稼働

2019/12/20

文:がん+編集部

 転移性脳腫瘍に対し、質の高い定位手術的照射を効率よく行える放射線機器が、国内で初めて臨床可動されました。

多発性転移性脳腫瘍でも、迅速・精密に負担が少ない定位照射を提供

 バリアン メディカル システムズは12月3日、最新の定位放射線治療に特化した放射線治療装置(リアニック)「TrueBeam Edge」が、大阪国際がんセンターで国内初稼働したことを発表しました。

 TrueBeam Edgeは、定位放射線治療に最適化され、ミリメートルよりも細かい精度を有し、高線量モード、高分解能な照射範囲の制御、6軸治療台などの精度の高い技術で定位放射線治療・定位手術的照射を支援します。

 がん患者さんの8~10%に発生する転移性脳腫瘍に対する放射線治療では、治療台を横方向に動かして角度を変えて照射する必要があります。TrueBeam Edgeには、こうした複雑な照射計画を短時間で効率的に行える技術が搭載。多発性転移性脳腫瘍の定位放射線治療で課題となっていた、標的腫瘍間の線量や正常細胞への線量の低減を実現しています。

 大阪国際がんセンター放射線腫瘍科主任部長の手島昭樹医師は次のようにコメントしています。

 「最近、免疫療法を含む全身療法の顕著な進歩により長期生存が得られ複数個所の脳転移例が大幅に増加しています。全脳照射は晩期の認知機能低下のため回避する傾向にあり、定位照射への需要が高まっています。臨床現場はこの増加する脳転移例に対して迅速に対応を迫られており、HyperArc導入はまさにタイムリーでした。通常照射と同じ感覚で迅速、精密に患者負担が少ない定位照射を提供できるので現場の大きな力となっています。Edgeの導入により脳定位照射は2台体制になり、就労支援を含めて患者さんのご要望に今まで以上に迅速かつきめ細やかに対応できることを期待しています」