血中低濃度ビタミンCはがん細胞を除去、細胞実験で

文:がん+編集部

 血中の低濃度ビタミンCが、がん細胞を除去する新たな知見が発見されました。

ビタミンC+過酸化水素または一酸化窒素で、効率的にがん細胞を死滅

 東京工科大学は12月6日、血中の低濃度ビタミンCが、がん細胞に対しどのような作用をするのかを明らかにし、ビタミンCががん細胞を除去する新たな知見を発表しました。同大応用生物学部の佐藤拓己教授らの研究グループによるものです。

 研究グループは、血中にあるビタミンCが、がん細胞と接着することで活性化された血管内皮から放出された過酸化水素や一酸化窒素と共同でがん細胞を除去している可能性を検証するため、動物細胞レベルで実験を行いました。その結果、生理的な濃度のビタミンCが過酸化水素や一酸化窒素による細胞死を促進することを確認。一方、酸化型のビタミンCでは細胞死の促進は確認されませんでした。

 これらのことから、生理的濃度のビタミンCは、がん細胞に対して毒性を示す過酸化水素や一酸化窒素のラジカル産生を抑制するにもかかわらず、過酸化水素や一酸化窒素単独より強くがん細胞を死滅させることが明らかになりました。つまり、生理的な濃度のビタミンCは、過酸化水素や一酸化窒素と共存することで、効率的にがん細胞を除去できると考えられます。

 今回の研究成果は、米国薬理学専門誌「Reactive Oxygen Species」オンライン版に2019年12月5日に掲載されましたが、まだ研究段階のものであり、治療法として可能性を示していますが、ヒトへの臨床研究も行われていません。