EZH1/2阻害薬「バレメトスタット」、成人T細胞白血病・リンパ腫対象の治験で投与開始

2020/01/08

文:がん+編集部

 再発・難治性の成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)を対象とした、EZH1/2阻害薬「バレメトスタット」(DS-3201)の臨床試験で、最初の患者さんへの投与が開始されました。

血液がんで多く発現するEZH1/2を阻害、新たな治療法として期待

 第一三共は2019年12月10日、再発または難治性のATLに対する国内第2相試験で、最初の患者さんにバレメトスタットの投与を開始したことを発表しました。

 ATLは、非ホジキンリンパ腫に分類される侵攻性の強い悪性リンパ腫に一種で、日本を含む特定の地域に多く見られる希少疾患です。ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)の感染が原因で発症します。国内にHTLV-1のキャリアは、約100万人おり、そのうち5%がATLを発症、するといわれています。年間の死亡者数は、約1,000人と推定されています。主な治療法は多剤併用化学療法ですが、再発した場合、予後が極めて不良です。

 バレメトスタットは、EZH1およびEZH2を選択的に阻害する薬剤です。EZH1およびEZH2は、多くの血液がんで発現しており、がん抑制遺伝子の不活性化に関係していることがわかっています。本試験は、再発または難治性ATL患者さん(目標症例数25人)に対し、バレメトスタットを1日1回200mgを経口投与し、単剤療法と比較して全奏効率有効性や安全性、薬物動態などでで評価されます。

 バレメトスタットは本試験のほか、末梢性T細胞リンパ腫、B細胞性リンパ腫を含む非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病などの血液がんを対象とした第1相臨床試験が行われています。また、本剤は難治性の末梢性T細胞リンパ腫を対象に厚生労働省から「先駆け審査指定制度」に指定されています。