オプジーボとヤーボイ併用、ネクサバールによる治療歴のある肝細胞がんに対しFDAが承認

2020/03/24

文:がん+編集部

 ニボルマブ(製品名:オプジーボ)とイピリムマブ(製品名:ヤーボイ)併用療法が、ソラフェニブ(製品名:ネクサバール)の治療歴のある肝細胞がんに対する治療法として、米国食品医薬品局(FDA)に承認されました。

CheckMate-040試験の結果、奏効率は35%、完全奏効率は12%、部分奏効率は22%

 ブリストル・マイヤーズ スクイプ社は3月11日、ソラフェニブによる治療歴を有する肝細胞がん患者さんの治療薬として、ニボルマブとイピリムマブ併用療法がFDAに承認されたことを発表しました。今回の承認は、CheckMate-040試験の結果に基づくものです。

 CheckMate-040試験は、ソラフェニブによる治療中に病勢進行、または、同剤不耐の肝細胞がん患者さん49人を対象とした第1/2相の臨床試験です。ニボルマブ1mg/kgとイピリムマブ3mg/kgを3週間間隔で4回点滴静注後、ニボルマブ240mgを2週間間隔で点滴静注を行い、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで継続されました。有効性の指標は、奏効率と奏効期間でした。

 最短28か月の追跡調査の結果、併用療法の奏効率は33%で、そのうち完全奏効率が8%、部分奏効が24%でした。奏効期間は、88%の患者さんで6か月以上、56%で12か月以上、31%で24か月以上継続しました。

 安全性に関しては、重篤な副作用が59%の患者さんで認められ、29%で投与が中止、65%で投与が延期されました。4%以上の患者さんで報告された重篤な副作用は、発熱、下痢、貧血、AST増加、副腎機能不全、腹水、食道静脈瘤出血、低ナトリウム血症、血中ビリルビン増加、肺臓炎でした。また、20%以上の患者さんで報告された副作用は、発疹、そう痒症、筋骨格痛、下痢、咳嗽、食欲減退、疲労、発熱、腹痛、頭痛、悪心、浮動性めまい、甲状腺機能低下症、体重減少でした。

 ブルー・フェアリー:エイドリアン・ウイルソン肝がん協会の創立者のAndrea Wilson会長は、次のように述べています。

 「肝がんの発症率は米国で増加しており、肝細胞がんは最も一般的かつ悪性度の高い疾患です。本日の承認は、ソラフェニブによる治療歴を有する肝細胞がん患者さんに新たな選択肢を提供し、地域社会にさらなる希望をもたらすものです」