タブレクタ、METex14変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの適応で承認

2020/08/06

文:がん+編集部

 MET遺伝子エクソン14(METex14)スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの治療薬として、カプマチニブ(製品名:タブレクタ)が承認されました。

GEOMETRTmono-1試験の結果、化学療法歴のない患者さんの奏効率68%、化学療法歴のある患者さんでは41%

 ノバルティス ファーマは6月29日、カプマチニブが、METex14変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの適応で、製造販売承認を取得したことを発表しました。国際共同第2相GEOMETRTmono-1試験の結果に基づくものです。

 GEOMETRTmono-1試験は、MET遺伝子増幅またはMETex14変異のある患者さんを対象に、カプマチニブ400mgを1日2回連日投与して評価した臨床試験です。主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は奏効期間でした。

 その結果、METex14変異陽性で、化学療法歴のない患者さん28人の奏効率は68%、化学療法歴のある患者さん69人では41%、奏効期間の中央値はそれぞれ、12.6か月と9.7か月でした。安全性に関しては、97人中87人(89.7%)に副作用が認められました。主な副作用は、末梢性浮腫52.6%、悪心37.1%、血中クレアチニン増加25.8%、嘔吐18.6%、疲労16.5%、食欲減退15.5%、下痢11.3%、リパーゼ増加11.3%およびALT増加10.3%でした。

 同社のオンコロジー ジャパンのプレジデントであるブライアン グラッツデン氏は、次のように述べています。

 「近年、遺伝子検査の技術が進み、多くのがん患者さんのがんの原因となるドライバー遺伝子が特定されるようになった一方で、遺伝子変異が特定されたにも関わらず、その遺伝子を標的とした治療法がない患者さんがいます。『タブレクタ』の承認により、METex14変異陽性の非小細胞肺がん患者さんにより適した標的療法を提供すると同時に、患者さんの人生に貢献できることを大変嬉しく思います」