オプジーボ+ヤーボイの併用療法、未治療の再発または転移性腎細胞がんの治験で4年生存率50%以上を示す

2020/10/14

文:がん+編集部

 未治療の進行または転移性腎細胞がん患者さんに対し、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イプリムマブ(製品名:ヤーボイ)併用療法を評価した臨床試験で、4年生存率は50%以上だったことがわかりました。

中および高リスク因子のある患者さんを含む全集団で持続的なベネフィットを示す

 ブリストル マイヤーズスクイブ社は9月17日、第3相CheckMate-214試験で、ニボルマブとイピリムマブの併用療法を受けた進行腎細胞がん患者さんの4年生存率が50%以上だったことを発表しました。

 CheckMate-214試験は、未治療の進行または転移性腎細胞がん患者さんを対象に、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法とスニチニブ(製品名:スーテント)を比較した臨床試験です。併用療法の患者さん550人は、ニボルマブ(3mg/kg)およびイピリムマブ(1mg/kg)を3週間間隔で計4回投与された後、ニボルマブ(3mg/kg)を2週間間隔で投与されました。スニチニブによる治療を受けた患者さん546人は、スニチニブ(50mg)を1日1回、4週間投与された後、2週間の休薬を経て投与が継続されました。病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで投与が継続されました。主要評価項目は、中および高リスク患者さんにおける全生存期間、無増悪生存期間および奏効率でした。

解析の結果は、以下の通りです。

中および高リスクの患者さんに対する全生存期間の中央値
ニボルマブ+イピリムマブ併用療法群:48.1か月
スニチニブ群:26.6か月
4 年生存率
ニボルマブ+イピリムマブ併用療法群:50.0%
スニチニブ群:35.8%
奏効率
ニボルマブ+イピリムマブ併用療法群:65.0%
スニチニブ群:50.0%
完全奏効率
ニボルマブ+イピリムマブ併用療法群:10.0%
スニチニブ群:1.0%
奏効期間の中央値
ニボルマブ+イピリムマブ併用療法群:未達
スニチニブ群:19.7か月

 ギュスタフ・ルーシーがん研究所、泌尿生殖器ユニット長で、CheckMate-214試験の治験担当医師であるLaurence Albiges医学博士は、次のように述べています。

 「ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、中および高リスクの進行腎細胞がん患者さんにおいて、スニチニブを上回る全生存期間の延長を示した最初の免疫療法薬による併用療法です。4年が経過した今、CheckMate-214試験で持続的な有効性が認められたことは、これらの患者さんの生存期間に対する希望を変えるという目標に向けた重要な進展です」