バベンチオ、局所進行または転移性の尿路上皮がんの一次化学療法後の維持療法として有効性を示す

2020/11/27

文:がん+編集部

 局所進行または転移性の尿路上皮がんを対象に、一次化学療法後の維持療法としてアベルマブ(製品名:バベンチオ)を評価した臨床試験の詳細な結果が、「The New England Journal of Medicine」で公開されました。

バベンチオとBSC、死亡リスクを全患者さんで31%、PD-L1陽性患者さんで44%低下

 独メルク社は9月18日、局所進行または転移性の尿路上皮がん患者さんのさまざまなサブグループに対し、一次化学療法後の維持療法としてアベルマブを評価したJAVELIN Bladder 100試験結果の詳細が「The New England Journal of Medicine」で公開されたことを発表しました。欧州臨床腫瘍学会(ESMO)2020で発表された追加解析データも含めて掲載されています。

 JAVELIN Bladder100試験は、アベルマブとベスト・サポーティブ・ケア(BSC)とBSCのみを比較した第3相臨床試験です。白金製剤を含む一次化学療法後に進行が認められなかった全ての患者さん700人を対象とした解析では、アベルマブとBSCのグループでは、BSCのみと比べて全生存期間が有意に延長し、死亡リスクが31%低下しました。また、治療開始後1年の生存率は、アベルマブとBSCで71.3%、BSCのみで58.4%でした。

 PD-L1陽性の患者さん358人の解析でも、アベルマブとBSCのグループでは、BSCのみに比べ、全生存期間が有意に延長し、死亡リスクが44%低下しました。また、治療開始後1年の生存率はアベルマブとBSCで79.1%、BSCのみで60.4%でした。

 安全性に関して、新たな安全性シグナルは認められませんでした。グレード3以上の治療関連有害事象は、アベルマブとBSCで16.6%、BSCのみでは報告されませんでした。

 泌尿器生殖器腫瘍学の教授で、英ロンドンのクイーンメアリー大学バーツがん研究所の固形腫瘍研究責任者であり、バーツがんセンター所長も務めるThomas Powles氏は、次のように述べています。

 「これらのデータは、最近のFDAからの承認を補完し、NCCNとESMOガイドラインに反映されており、アベルマブの一次化学療法の維持療法によって局所進行および転移性の尿路上皮がん患者さんの診療が根本的に変わる可能性があることを示しています。アベルマブの維持療法による全生存期間の延長がすべてのサブグループにおいて認められ、それが患者さんのQOLに悪影響を及ぼすことなく達成されたことは、注目に値します」