キイトルーダ+化学療法併用、PD-L1陽性の局所再発または転移性トリプルネガティブ乳がんへの治療でFDA承認

文:がん+編集部

 ペムプロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+化学療法併用療法が、PD-L1陽性の切除不能な局所再発または転移性のトリプルネガティブ乳がんに対する治療として米国食品医薬品局(FDA)に承認されました。

キイトルーダ+化学療法併用療法、化学療法に対し病勢進行または死亡リスクを35%低下

 米メルクは11月13日、腫瘍にPD-L1の発現が認められる切除不能な局所再発または転移性のトリプルネガティブ乳がんの適応で、ペムブロリズマブ+化学療法併用療法をFDAが承認したことを発表しました。今回の承認は、KEYNOYE-355試験の結果に基づくものです。

 KEYNOYE-355試験は、PD-L1発現にかかわらず、転移に対する化学療法歴のない切除不能の局所再発または転移性のトリプルネガティブ乳がん患者さん847人を対象にした第3相臨床試験です。ペムブロリズマブ+化学療法併用療法と、プラセボ+化学療法を比較して、無増悪生存期間、全生存期間、奏効率、奏効期間などで評価しました。

 患者さんのうち、PD-L1陽性(CPS≧10)の患者さんを対象とした解析では、無増悪生存期間の中央値が、ペムブロリズマブ+化学療法併用療法9.7か月、プラセボ+化学療法5.6か月で、病勢進行または死亡リスクを35%低下しました。

 安全性に関して、ペムブロリズマブ+化学療法併用療法により死亡に至った有害事象(心肺停止や敗血症性ショックなど)は2.5%に認められ、重篤な有害事象は30%で認められました、2%以上の患者さんに認められた重篤な有害事象は肺炎(2.9%)、貧血(2.2%)、血小板減少症(2%)でした。また、有害事象によりペムブロリズマブの投与が中止された患者さんは11%でした。最も高頻度に認められた有害事象(全グレード、20%以上)は疲労(48%)、悪心(44%)、脱毛(34%)、下痢・便秘(それぞれ28%)、嘔吐・発疹(それぞれ26%)、咳(23%)、食欲減退(21%)、頭痛(20%)でした。

 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の Helen Diller Family Comprehensive Cancer CenterのBreast Oncology and Clinical Trials Educationディレクター、Hope Rugo博士は、次のように述べています。

 「乳がん患者さんの約15%から20%が、治療の困難な進行の速いトリプルネガティブ乳がんと診断されています。KEYNOTE-355試験では、キイトルーダとパクリタキセル、ナブパクリタキセルまたはゲムシタビンとカルボプラチンという3種類の異なる化学療法レジメンを併用しました。キイトルーダと化学療法の併用療法の承認により、対象となる患者さんに対する重要な新しい治療の選択肢が医師に提供されることになります」