4価HPVワクチン「ガーダシル」、肛門がんと男性尖圭コンジローマ予防の適応追加で承認
2021/01/19
文:がん+編集部
4価HPVワクチン「組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来)(製品名:ガーダシル)」が、肛門がんと男性での尖圭コンジローマ予防の適応追加で承認されました。
肛門性器部の持続感染を85.9%、肛門内の持続感染を100%予防
MSDは2020年12月25日、ヒトパピローマウイルス(HPV)の4つの型に対応した4価HPVワクチン「組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来)」について、肛門がんと男性での尖圭コンジローマ予防に対する製造販売承認事項一部変更が承認されたことを発表しました。
効能・効果は、HPV6、11、16および18型の感染に起因する肛門がん(扁平上皮がん)およびその前駆病変(肛門上皮内腫瘍1、2および3)ならびに男性での尖圭コンジローマの予防。用法・用量は、9歳以上の男性に対する接種対象の拡大です。
「組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来)」の有効性と安全性を評価した国内で行われた臨床試験では、HPV6、11、16、18型に関連した肛門性器部の持続感染を85.9%、肛門内の持続感染を100%予防しました。主な注射部位の副反応は、疼痛54.7%、紅斑24.5%、腫脹21.3%などでした。
同社の副社長執行役員グローバル研究開発本部長の白沢博満氏は、次のように述べています。
「男性への接種対象拡大と肛門がんの予防適応の追加により、日本のHPVワクチンの接種環境が世界の水準に着実に近づくことができ、大変うれしく思います。今回の承認は日本のHPV関連疾患の予防における重要な一歩として、人々の命と健康を守り、日本の公衆衛生の前進に大きく寄与すると考えています。MSDは今後も日本において、人々の生命を救い、生活を改善する革新的なワクチンと医薬品の開発に全力で取り組んでまいります」