IL-11陽性細胞が「大腸がん再発」に関与する可能性

文:がん+編集部

 インターロイキン-11(IL-11)というタンパク質を出す細胞が、大腸がんの再発に関与することが明らかになりました。

通常の組織には存在しないIL-11陽性細胞が、大腸炎や大腸がんの進展に伴って出現

 東邦大学は4月16日、IL-11陽性細胞が大腸がんの再発に関与することがわかったと発表しました。同大医学部生化学講座の仁科隆史助教、中野裕康教授、順天堂大学、東海大学、東京理科大学、金沢大学がん進展制御研究所、ミシガン大学の共同研究グループによるものです。

 IL-11は、細胞から放出されるタンパク質(サイトカイン)の1種です。研究グループはこれまでに、IL-11が肝細胞の増殖を誘導することを報告していました。さらに、IL-11の機能を阻害するとマウスの大腸がんや胃がんが縮小することも報告されており、IL-11を標的とする大腸がん治療の可能性が示唆されていました。

 今回、研究グループは、IL-11を可視化できるマウスを新たに作製。このマウスを用いて解析した結果、通常の組織には存在しないIL-11を出す細胞(IL-11陽性細胞)が、大腸炎や大腸がんの進展に伴って局所に出現することを発見しました。

 また、IL-11陽性細胞でたくさん発現している遺伝子と同じものが、大腸がんでたくさん発現している患者さんでは、大腸がんの再発リスクが高まっていることもわかりました。これにより、IL-11陽性細胞を標的としたがん治療が有用である可能性が示されました。

 研究グループは、今回の発表について、次のように述べています。

「今後は、IL-11陽性細胞で高発現しているどのような遺伝子が大腸がんの再発に関与しているのかを解析していく必要があると考えられます」