「オプジーボ+化学療法」、進行または転移性の胃がん・胃食道接合部がん・食道腺がんの効能・効果でFDAが承認

2021/05/07

文:がん+編集部

 「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+化学療法」併用療法が、進行または転移性の胃がん・胃食道接合部がん・食道腺がんの治療として米国食品医薬品局(FDA)に承認されました。

「オプジーボ+化学療法」併用療法、化学療法と比べ死亡リスクを20%低下

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は4月16日、ニボルマブがフルオロピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法との併用療法として、PD-L1の発現率にかかわらず進行または転移性の胃がん、胃食道接合部がん、食道腺がんの効能・効果で、FDAから承認されたことを発表しました。今回の承認は、CheckMate-649試験の結果に基づくものです。

 CheckMate-649試験は、未治療の進行または転移性胃がん、胃食道接合部がんおよび食道腺がんの患者さんを対象に、「ニボルマブ+化学療法」併用療法と化学療法を比較した第3相臨床試験です。化学療法は、mFOLFOX6(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン)またはCapeOX(カペシタビンおよびオキサリプラチン)のいずれかが併用されました。主要評価項目はPD-L1発現率(CPS≧5)の患者さん対象の全生存期間と無増悪生存期間、副次的評価項目はPD-L1発現率(CPS≧1)の患者さんと全患者さんを対象とする全生存期間と無増悪生存期間でした。

 「ニボルマブ+化学療法」併用療法は、化学療法と比べ、全患者さん対象の解析では死亡リスクを20%低下、PD-L1発現率(CPS≧5)の患者さんでは死亡リスクを29%低下したとわかりました。また、無増悪生存期間については、「ニボルマブ+化学療法」併用療法を受けた、PD-L1発現率(CPS≧5)の患者さんで、病勢進行または死亡リスクが32%低下したことがわかりました。

 安全性に関しては、「ニボルマブ+化学療法」併用療法による重篤な副作用が52%で発現。2%以上で頻繁に認められた副作用は、嘔吐(3.7%)、肺炎(3.6%)、貧血(3.6%)、発熱(2.8%)、下痢(2.7%)、発熱性好中球減少症(2.6%)、および肺臓炎(2.4%)。また、20%以上で最も一般的に認められた副作用は、末梢神経障害(53%)、悪心(48%)、疲労(44%)、下痢(39%)嘔吐(31%)、食欲減退(29%)、腹痛(27%)、便秘(25%)および筋骨格痛(20%)でした 。

 CheckMate-649試験の治験責任医師であり、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター、消化器がんのチーフであるYelena Y.Janjigian医師は、次のように述べています。

 「CheckMate-649試験において、オプジーボと化学療法の併用療法は、転移性胃がん、胃食道接合部がんおよび食道腺がん患者さんの生存期間を有意に改善し、死亡リスクを20%低減しました。さらに、1年生存率は55%でした。これらは重要な結果であり、オプジーボによる同併用療法が生存期間を延長し得る治療選択肢を一刻も早く必要としているこの患者集団の標準治療となり得ることを裏付けています」