非小細胞肺がんを対象にテセントリクを評価したIMpower010試験の中間解析、ASCOで発表

文:がん+編集部

 非小細胞肺がんを対象に、アテゾリズマブ(製品名:テセントリク)と支持療法を比較したIMpower010試験の中間成績が、2021年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表されました。

テセントリク、PD-L1陽性患者さんの再発または死亡リスクを34%低下

 ロシュ社は5月20日、PD-L1の発現が1%以上でステージ2~3Aの術後補助化学療法を受けた非小細胞肺がん患者さんに対するIMpower010試験の中間解析を、2021年のASCO年次総会で報告することを発表しました。

 IMpower010試験は、ステージ1B~3Aの非小細胞肺がんで、手術後に最大4サイクルのシスプラチンを含む補助化学療法を受けた患者さん1,005人を対象に、アテゾリズマブと支持療法を比較した第3相臨床試験です。主要評価項目はステージ2~3AのPD-L1陽性(1%以上)患者さんと同ステージの全患者さん、ステージ1B~3Aの治験中止も含めた全ての患者さんのそれぞれに対する無病生存期間です。主な副次的評価項目は、1B~3Aの治験に参加した全ての患者さんの全生存期間などでした。

 中間解析の結果、PD-L1陽性のステージ2~3Aでアテゾリズマブによる治療を受けた患者さんは、支持療法と比べて再発または死亡リスクが34%低下しました。同ステージの全患者さんを対象とした解析(追跡期間の中央値32.2か月)では、アテゾリズマブは再発または死亡リスクを21%低下させ、無病生存期間を7か月延長しました。

 安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。治験に参加した全ての患者さんで認められた有害事象は、アテゾリズマブ92.7%、支持療法70.7%、グレード3または4の有害事象は、アテゾリズマブ21.8%、支持療法11.5%でした。アテゾリズマブの有害事象により死亡に至った患者さんは、0.8%でした。

 ステージ1Bを含む治験に参加した全ての患者さんに対する無病生存期間は、解析時点では統計学的に優越性が検証されず、全生存期間も中間解析時点では解析に必要なイベント数が達しなかったため、これらの評価は次回の解析まで追跡調査が継続されます。

有効性の解析結果

PD-L1 1%以上の
ステージ2~3A
無作為化された
ステージ2~3A
ITT
テセントリク
(248人)
支持療法
(228人)
テセントリク
(442人)
支持療法
(440人)
テセントリク
(507人)
支持療法
(498人)
無病生存期間
(中央値)
未達35.3か月42.3か月35.3か月未達37.2か月
層別ハザード比
(95%信頼区間)
0.66(0.50~0.88)0.79(0.64~0.96)0.81(0.67~0.99)
層別log-rank P値
(両側)
0.0040.020.04*

*閾値に到達せず

安全性の解析結果

テセントリク支持療法
全有害事象92.7%70.7%
グレード3または4の有害事象21.8%11.5%
治療関連のグレード5の有害事象0.8%該当せず
治療中止に至った有害事象18.2%該当せず