「イムブルビカ」ベースの固定治療期間の治療法、慢性リンパ性白血病に対し高い病勢コントロールを実現

文:がん+編集部

 未治療の慢性リンパ性白血病に対し、「イブルチニブ(製品名:イムブルビカ)+ベネトクラクス(製品名:ベネクレクスタ)」併用療法を評価したCAPTIVATE試験で無増悪生存率95%、イブルチニブ単剤療法を評価したRESONATE-2試験の長期追跡解析で、持続的な有効性と安全性が示されました。

「イムブルビカ+ベネクレクスタ」併用療法、1年間の全生存率98%

 米ヤンセンは5月19日、未治療の慢性リンパ性白血病に対し、イブルチニブを評価したCAPTIVATE試験とRESONATE-2試験の最新データを発表しました。

 CAPTIVATE試験は、高リスクのサブグループを含む70歳以下の未治療の慢性リンパ性白血病・小リンパ球性リンパ腫患者さんを対象とした第2相試験です。3か月間のイブルチニブ導入療法を受けた後、12か月間「イブルチニブ+ベネトクラクス」併用療法を受けた後、微小残存病変の状態にかかわらず治療を終了しました。90%を超える患者さんが12サイクルの「イブルチニブ+ベネトクラクス」併用療法を完了しました。

 27.9か月の追跡期間(中央値)の解析で、完全奏効率は56%で、高リスクのサブグループでも一貫していました。このうち89%が少なくとも1年間の寛解を維持し、残りの11%の患者さんうち奏効の追跡期間が1年未満の患者さんは評価できませんでした。全奏効率は96%で、24か月の無増悪生存率はIGHV変異のない患者さんが93%、変異のあるIGHV患者さん97%、治療を受けた患者さんの全生存率98%でした。また試験期間中に末梢血および骨髄での微小残存病変が検出不能だった患者さんは、それぞれ77%と60%でした。

 治験参加時点で、腫瘍量に基づく腫瘍崩壊症候群のリスクが高かった患者さんの94%が、イブルチニブの導入療法後に中度のリスクまたは低リスクに移行し、腫瘍崩壊症候群は発生しませんでした。また、有害事象は主にグレード1、2でしたが、最も多く見られたグレード3、4の有害事象は好中球減少(33%)、感染症(8%)、高血圧(6%)、および好中球数減少(5%)で、有害事象による中止は3%でした。

 RESONATE-2試験は、17p欠失を除く65歳以上の未治療の慢性リンパ性白血病患者さん269人を対象に、イブルチニブとクロラムブシル(製品名:リューケラン)を比較した第3相試験です。最長7年の追跡調査の結果、イブルチニブはクロラムブシルに比べて病勢進行または死亡のリスクを84%低減しました。6.5年時点のイブルチニブの無増悪生存率は、61%(中央値が未達)、クロラムブシル9%でした。イブルチニブによる無増悪生存期間の延長はTP53変異、IGHV未変異、11q欠失のサブグループでも認められました。また、6.5年時点のイブルチニブの全生存率は78%で、イブルチニブの完全奏効率は経時的に増加し34%に達しました。観察期間中に約半数の患者さんが最長7年までイブルチニブによる治療を継続しています。

 安全性に関して、イブルチニブ単剤療法は長期にわたって良好な忍容性を示し、新たな安全性の懸念は認められませんでした。グレード3以上の5~6年間隔の有害事象は、高血圧および心房細動が認められましたが、5~7年間隔ではグレード3以上の大出血は発現しませんでした。5~6年目にかけて治療中止につながる全グレードの有害事象は3%、6~7年目にかけて有害事象が原因でイブルチニブの治療を中止した患者はいませんでした。

 CAPTIVATE試験の治験責任医師であるPaolo Ghia医学博士は、次のように述べています。

 「イムブルビカの継続治療は高リスクを含む慢性リンパ性白血病患者さんに対する標準治療として確立されています。CAPTIVATE試験の最新データはイムブルビカとベネトクラクスの経口かつ固定治療期間の併用療法によって無治療での寛解維持を可能にすると同時に2年時点の高い無増悪生存率を実現することも示しています」

 また、同社のがん領域臨床開発・グローバル・メディカル・アフェアーズ バイスプレジデントのCraig Tendler医師は、次のように述べています。

 「CAPTIVATE試験の良好な結果より、相補的な作用機序を持つイムブルビカとベネトクラクスの併用療法は、外来で投与可能な1日1回の固定治療期間の治療法として、若年かつ体力のある慢性リンパ性白血病患者さんに深い奏効をもたらす可能性を示しています。RESONATE-2試験の結果は慢性リンパ性白血病の初回治療におけるイムブルビカ単剤療法の長期的な有用性を示すもので、標準治療として無増悪生存期間および全生存期間への貢献を継続的に支持し続けています」

※:IGHVは日本語で免疫グロブリン重鎖可変領域遺伝子、慢性リンパ性白血病の予後因子の1つ。17p欠失、TP53変異、11q欠失もそれぞれ予後因子とされています。