迅速かつ高い精度で大腸がんを見つける唾液検査を新たに開発

文:がん+編集部

 唾液中にある腫瘍マーカーを1人あたり1分で測定する技術が開発されました。唾液検査で、高精度かつ大規模に大腸がんをみつけることができる可能性があります。

既存の大腸がんの血液マーカーより高い精度で大腸がんを見つけることが可能

 慶應義塾大学は7月5日、唾液中にある腫瘍マーカー「ポリアミン類」を1分で測定する技術を開発したことを発表しました。同大先端生命科学研究所の曽我朋義教授、五十嵐香織技術員らのグループによるものです。

 ポリアミン類は、大腸がん、膵臓がんなど、がん患者さんの唾液や尿で急激に増加することが知られていましたが、これまでの方法では、1検査1人で10分以上かかっていました。今回、研究グループが開発した技術では、一度に40人の検査を40分で測定(1人あたり1分)できるようになりました。

 この検査法で健常者20人、大腸がん患者さん20人のポリアミン類を調べたところ、健常者に比べ大腸がん患者さんでポリアミン類が高い数値を示しました。次に、健常者57人、大腸良性ポリープ患者さん26人、大腸がん患者さん276人のポリアミン類を調べたところ、健常者や大腸良性ポリープ患者さんに比べ、大腸がん患者さんでポリアミン類の濃度が有意に高くなっていることが判明しました。また、今回開発した検査法の精度は、既存の大腸がんの血液マーカーであるCEA、CA19-9、NSEなどより高いこともわかりました。

 同大学の曽我朋義教授、次のように述べています。

 「今回開発した多検体同時測定CE-MS法は、低分子マーカーを臨床応用する際の障壁であった測定時間、コストを大幅に削減します。本法は、唾液のポリアミン測定による大腸がんの診断の大規模・迅速分析を実現しました。また、ポリアミン以外の低分子マーカーの臨床応用も実現する測定技術であると考えています」