免疫チェックポイント阻害薬による副作用の予測が可能に

文:がん+編集部

 血液中のリンパ球の数を調べることで、免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連の副作用を予測できることがわかりました。

ハイリスク患者さんの早期発見とそのマネジメントに期待

 慶應義塾大学は7月6日、免疫チェックポイント阻害薬で起こる免疫関連の副作用を事前に予測できる方法を発見したことを発表しました。同大と国立がん研究センター中央病院との共同研究によるものです。

 免疫チェックポイント阻害薬では、皮膚障害、下痢、甲状腺機能障害、間質性肺疾患などの免疫に関連した副作用が起こることがありますが、いつ起こるのかがわかっていません。そのため、ハイリスク患者さんの早期発見とそのマネジメントが重要です。

 研究グループは、免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブ(製品名:オプジーボ)による免疫関連の副作用と血液中のリンパ球に相関があるのではないかと仮説を立て調査を行いました。進行・再発の非小細胞肺がんの二次治療以降としてニボルマブによる治療を6週間以上受けた患者さんの診療記録を調べました。対象患者さん171人のうち73人が、治療開始後6週間以内に、1つ以上の免疫に関連した副作用を発症していました。次に、血液中のリンパ球数と副作用の相関性を検証したところ、ニボルマブの治療開始後2週間後のリンパ球数が、免疫チェックポイント阻害薬による免疫に関連した副作用の発症と相関していることがわかりました。

 以上のことから、血液中のリンパ球の数を測定することで、ニボルマブによる免疫に関連した副作用を予測できることが示唆されました。

 研究グループは今回の研究の結論として、次のように述べています。

 「ニボルマブ療法開始2週間後の末梢血リンパ球数が免疫関連副作用発症と相関することがわかりました。私たちが立てた仮説が支持され、末梢血リンパ球数がニボルマブによる免疫関連副作用発症を予測できることが示唆されました。本研究成果は、免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連副作用を事前に察知できる可能性を示唆するものであり、「ハイリスク患者」の早期発見とそのマネジメントにつながるものと考えております」

免疫に関連した副作用の発症率
皮膚障害:25.7%
下痢:11.7%
甲状腺炎/甲状腺機能障害:8.8%
肝機能障害:1.8%
間質性肺疾患:1.2%
脳炎:0.6%
重症筋無力症:0.6%
静脈血栓塞栓症:0.6%