5cm以上の低分化型肝細胞がん、術後早期遠隔転移リスクが増大

文:がん+編集部

 低分化型肝細胞がんの予後不良リスクが、腫瘍サイズとともに増大することが明らかになりました。肝細胞がん患者さんへの新たな戦略としての応用や術後の肝外再発の早期発見につながることが期待されます。

腫瘍サイズ2cm以上、特に5cmまでは予後不良リスクが急上昇

 大阪市立大学は8月24日、肝細胞がんの腫瘍分化度による予後不良リスクは腫瘍サイズとともに増大し、腫瘍サイズが2cm以上、特に5cmまでは予後不良リスクが急激に上昇することを明らかにしたことを発表しました。同大大学院医学研究科 外科学講座 肝胆膵外科の新川寛二病院講師、久保正二病院教授らの研究グループによるものです。

 肝細胞がんの予後不良因子は、腫瘍サイズ、個数、脈管侵襲などあります。がん細胞が本来の正常な細胞の形態をどれくらい維持しているかを示す「腫瘍分化度」については、さまざまながん腫の予後に影響することが知られていますが、肝細胞がんの予後との関連性については結論が得られていませんでした。近年、腫瘍サイズと肝細胞がんの悪性度との関連性が報告されていましたが、これまで腫瘍分化度による予後リスクと腫瘍サイズの関連性について検討されていませんでした。

 今回研究グループは、過去約30年間におよぶ肝細胞がん患者さん1,107人の手術情報と臨床データを分析。正常な細胞の形態の維持度が低い「低分化型」肝細胞がんは、術後の予後不良因子であり、術後2年以内の早期再発と術後早期遠隔再発のリスク因子であることがわかりました。

 また、腫瘍サイズが2cm以上、特に5cmまでは予後不良リスクが急激に上昇し、さらに、腫瘍サイズが5cm以上の低分化型肝細胞がんは、術後早期遠隔転移のリスクも2.33倍に増大することが明らかになりました。本研究成果は、肝細胞がん患者さんへの新たな戦略としての応用や術後の肝外再発の早期発見につながることが期待されます。