がん光免疫療法をもとにしたイルミノックスプラットフォームの最新情報を公表

文:がん+編集部

 がん光免疫療法をもとにしたイルミノックスプラットフォームの開発状況など、報道関係者向け説明会を楽天メディカルジャパンが開催。免疫チェックポイント阻害薬との併用、他がん種への応用など今後の展望が発表されました。

免疫チェックポイント阻害薬との併用、他がん種への応用など今後の展望も

 楽天メディカルジャパンは8月25日、がん光免疫療法をもとにしたイルミノックスプラットフォームによる「イルミノックス治療」の開発に関して、報道関係者向け説明会を開催。同社代表取締役会長の三木谷浩史氏と代表取締役社長の虎石貴氏、国立がん研究センター東病院の林隆一副院長が登壇しました。

 イルミノックスプラットフォームは、光感受性物質を特定の細胞に選択的に送り届け、光を照射することで特定の細胞の壊死、または排除する技術です。この技術を使って最初に開発されたのが、がん光免疫療法です。2020年9月に、「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」の適応で、医薬品のセツキシマブ サロタロカンナトリウム(製品名:アキャルックス)と、医療機器のPDT半導体レーザ(製品名:BioBladeレーザシステム」が国内承認されました。

 虎石社長が、イルミノックスプラットフォームの今後の開発状況を発表。局所療法としての臨床試験や免疫チェックポイント阻害薬との併用による臨床試験の実施、さらに、新たなコンセプトによるがん治療への挑戦として制御性T細胞を標的とした治療(臨床試験開始準備中)などについて解説しました。

 現在実施中の臨床試験は、以下の通りです。

  • 国内:食道がんに対する第1/2相試験
  • 国際:局所再発頭頸部がんに対する国際共同第3相試験
  • 国内:切除不能な進行・再発胃がん・食道がんに対する第1相試験
  • 米国:再発または転移性頭頸部と進行性または転移性皮膚扁平上皮がんに対する第1/2相試験

 また、林隆一先生は講演の最後に、イルミノックス治療のメリットや課題、今後の展開に関して次のように述べました。

 「イルミノックス治療は、腫瘍選択的な治療で局所の腫瘍細胞の殺傷能力が強く、繰り返し治療を行えることがメリットです。課題は、光照射法の標準化と手技の均てん化、支援機器の開発、症例集積と解析です。今後は、免疫チェックポイント阻害薬などとの併用療法の開発、早期頭頸部がんへの適応拡大、新しい抗体複合体の開発による他がん種への応用が望まれます」

 説明会では、頭頸部がんに対するイルミノックス治療を実施している施設が、国内38施設まで拡大されたことも発表されました。今秋には約40施設まで広がる見込みで、治療を行える医師が8月24日時点で97人になりました。

頭頸部イルミノックス治療(光免疫療法)実施施設一覧

  • 愛知医科大学病院
  • 愛知県がんセンター
  • 秋田大学医学部附属病院
  • 岩手医科大学附属病院
  • 大阪国際がんセンター
  • 大阪大学医学部附属病院
  • 岡山大学病院
  • 金沢大学附属病院
  • 亀田総合病院
  • がん研究会有明病院
  • 関西医科大学附属病院
  • 北里大学病院
  • 岐阜大学医学部附属病院
  • 九州大学病院
  • 京都大学医学部附属病院
  • 京都府立医科大学附属病院
  • 熊本大学病院(予定)
  • 久留米大学病院
  • 群馬大学医学部附属病院
  • 神戸大学医学部附属病院
  • 国立がん研究センター東病院
  • 埼玉医科大学国際医療センター
  • 四国がんセンター
  • 順天堂大学医学部附属順天堂医院(予定)
  • 東京医科歯科大学医学部附属病院
  • 東京医科大学病院
  • 東京医療センター(予定)
  • 鳥取大学医学部附属病院
  • 新潟大学医歯学総合病院
  • 広島大学病院
  • 藤田医科大学病院
  • 北海道大学病院
  • 宮城県立がんセンター
  • 横浜市立大学附属病院
  • 琉球大学病院 (予定)