ピロリ菌に感染した「男性6人に1人/女性13人に1人」が85歳までに胃がんになる可能性が高い

文:がん+編集部

 ピロリ菌に感染した男性の6人に1人、女性の13人に1人が85歳までに胃がんになる可能性が高いという研究結果が発表されました。

ピロリ菌感染コントロールと胃がん検診・治療とのコストバランス分析に役立つ研究成果

 愛知医科大学は9月1日、ピロリ菌に感染している人が、85歳までに胃がんにかかる確率を発表しました。同大医学部公衆衛生学の川合紗世講師、王超辰講師、篠壁多恵講師、林櫻松特任教授、菊地正悟教授、兵庫医科大学小児科学の奥田真珠美教授らの研究グループによるものです。

 研究グループは、ピロリ菌による胃がん発生率を調べるため、以前に実施したメタ解析により得られた生年ごとのピロリ菌感染率データと国立がん研究センターの年齢階級別胃がん罹患年次推移データを利用。さらにピロリ菌感染の有無による胃がん発生リスクを仮説設定し、複合的な解析で胃がん累積罹患リスクを算出しました。

 解析の結果、ピロリ菌感染者では0歳から85歳までに胃がんに罹る確率が男性で17.0%、女性で7.7%であることが推計されました。ピロリ菌に感染していない場合は男性で1.0%、女性で0.5%でした。

 研究グループは成果の意義として、次のように述べています。

 「この研究成果は、個人がピロリ菌検査やピロリ菌除菌治療を受けるかどうかを決める場合に重要な情報となります。また、ピロリ菌が胃がんの最も大きな原因であることを利用した胃がん対策事業を行うにあたり、ピロリ菌感染コントロールと胃がん検診および治療とのコストバランスを分析する上での基本情報となります」