制御性T細胞を標的とした光免疫療法の開発が、CiCLEのViCLEとして採択

2021/12/10

文:がん+編集部

 制御性T細胞を標的としたイルノミックス治療(光免疫療法)の開発が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」の「スタートアップ型(ViCLE)」に採択されました。

RM-1995、抗CD25抗体と光感受性物質IR700を結合させた光免疫療法に用いる薬剤

 楽天メディカルジャパンは11月11日、「抗CD25抗体-色素複合体(RM-1995)を用いた制御性T細胞を標的とした革新的がん治療法の開発」が、AMEDによる令和3年度CiCLE(第6回)のViCLEに採択されたことを発表しました。

 RM-1995は、抗CD25抗体と光感受性物質のIR700を結合させた薬剤です。RM-1995は、制御性T細胞の表面にあるCD25に結合します。RM-1995が結合した腫瘍に対し波長690nmのレーザ光を照射することで、IR700が光化学反応を起こし腫瘍局所の制御性T細胞を破壊します。制御性T細胞の破壊により、抑制が解除され活性化したCD8陽性のT細胞ががん細胞に集まり攻撃します。このメカニズムは、非臨床試験で確認されています。

 ViCLEは、スタートアップ型ベンチャー企業が出口戦略をもって短期間に行う医薬品や医療機器、再生医療等製品、医療技術などの実用化に向けた研究開発や環境整備を支援する最長5年にわたるプログラムです。AMEDと合意に至った場合、2022年度から臨床開発に向けた研究が開始されます。

 同社の代表取締役会長である三木谷 浩史氏は、次のように述べています。

 「当社は、『イルミノックス・パレット』と呼ぶ創薬研究プログラムをもとに、さらなるパイプラインの拡充を進めています。そのうちの一つである、抗CD25抗体-IR700複合体『RM-1995』を用いたTregを標的としたイルミノックス治療の開発について、AMEDのViCLEに採択され、大変嬉しく思います。我々は、化学・生物学・物理学の結合によるイノベーションで開発されたイルミノックス治療(光免疫療法)の適応拡大を目指します」

楽天メディカルジャパン株式会社 プレスリリース