「キイトルーダ+化学療法」、根治切除不能な進行・再発食道がんに対する一次治療として承認

2021/12/21

文:がん+編集部

 「ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+化学療法」が、根治切除不能な進行・再発食道がんに対する一次治療として承認されました。

「キイトルーダ+化学療法」、化学療法と比べて死亡リスクを27%低下

 MSDは11月25日、ペムブロリズマブの国内製造販売承認事項の一部変更が承認されたことを発表しました。根治切除不能な進行または再発の食道がんに対する一次治療として、化学療法との併用に関する適応拡大です。今回の承認は、KEYNOTE-590試験の結果に基づくものです。

 KEYNOTE-590試験は、化学療法歴のない根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がんおよび食道腺がん、食道胃接合部の腺がん患者さん749人を対象に、「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法を化学療法と比較した第3相試験です。化学療法は、「フルオロウラシル+シスプラチン」併用療法が行われました。主要評価項目は全生存期間と無増悪生存期間、副次的評価項目は全奏効率と奏効期間でした。

 解析の結果、「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法は化学療法と比較して、全生存期間と無増悪生存期間を有意に改善。全患者さんの死亡リスクを27%、病勢進行または死亡リスクを35%低下しました。

 安全性に関して、20%以上で認められた副作用は、悪心(63.0%)、食欲減退(39.2%)、貧血(38.6%)、疲労(36.5%)、好中球数減少(36.5%)、嘔吐(29.7%)、下痢(26.2%)、好中球減少(25.9%)、口内炎(25.9%)および白血球数減少(24.1%)でした。