ハイヤスタ、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫の効能・効果で適応拡大
2022/01/05
文:がん+編集部
ツシジノスタット(製品名:ハイヤスタ)が、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫の効能・効果で適応拡大されました。
HBI-8000-203試験の結果、奏効率45.7%で有効性を示す
Meiji Seikaファルマは2021年11月25日、「再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫」を適応症とするツシジノスタットの効能追加の国内承認を、提携先のHUYABIO International, LLCの子会社Huya Japan合同会社が取得したことを発表しました。今回の承認は、HBI-8000-203試験の結果に基づくものです。
HBI-8000-203試験は、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫(サブタイプを含む)の患者さん46人を対象に、経口薬ツシジノスタットの有効性と安全性を評価した第2b相試験で、日本と韓国で行われました。対象患者さんは、末梢性T細胞リンパ腫のほか、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、ALK陽性未分化大細胞リンパ腫、ALK陰性未分化大細胞リンパ腫、腸管症関連T細胞リンパ腫などサブタイプを含んでいました。主要評価項目は奏効率、主な副次的評価項目はサブタイプ別の奏効率、無増悪生存期間、奏効期間、安全性などでした。
試験の結果、奏効率は45.7%で有効性が認められました。安全性に関しては、92.7%で副作用が認められ、主な副作用は、血小板減少(76.4%)、好中球減少(56.4%)、白血球減少(38.2%)、貧血(21.8%)、食欲減退(21.8%)、悪心(20.0%)でした。
ツシジノスタットは、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の活性を阻害することで、細胞周期の停止および細胞死が誘導され、がん細胞の増殖が抑制されると推測されています。ヒストンのアセチル化は遺伝子発現を活性化させ、脱アセチル化は遺伝子の発現を抑制していると考えられています。
ツシジノスタットは、「再発または難治性の成人T細胞白血病リンパ腫」を適応で2021年6月に国内承認されています。さらに海外では、他剤との併用による未治療の転移性または切除不能な悪性黒色腫を対象とした国際共同第3相試験が実施中です。