「レンビマ+キイトルーダ」、「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体がん」の適応で国内承認

2022/02/04

文:がん+編集部

 「レンバチニブ(製品名:レンビマ)+ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)」併用療法が、「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体がん」の適応で、国内承認されました。

「レンビマ+キイトルーダ」、化学療法と比べ死亡リスクを38%低下

 エーザイと米メルク社は2021年12月24日、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法が、「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体がん」の適応で、厚生労働省より承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、309試験/KEYNOTE-775試験の結果に基づくものです。

 309試験/KEYNOTE-775試験は、前治療として少なくとも1レジメンのプラチナ製剤による治療歴のある進行性子宮内膜がん患者さん827人を対象に、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法と化学療法(ドキソルビシンまたはパクリタキセル)を比較した第3相試験です。主要評価項目は全生存期間、無増悪生存期間、副次的評価項目は奏効率、QOL、安全性などでした。

 主要評価項目の解析の結果、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法は化学療法と比較して、全生存期間を統計学的に有意に改善。死亡リスクを38%低下しました。また、無増悪生存期間も統計学的に有意な改善が認められ、病勢進行または死亡リスクを44%低下しました。

 安全性に関しては、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法の治療を受けた患者さんの97.3%で副作用が認められました。主な副作用は、高血圧61.3%、甲状腺機能低下症54.7%、下痢42.1%、悪心38.9%、食欲減退37.2%、疲労27.8%、蛋白尿25.9%、嘔吐24.1%、体重減少22.4%、関節痛21.4%および手掌・足底発赤知覚不全症候群20.7%でした。

 Merck & Co, Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. 研究開発本部 オンコロジークリニカルリサーチのバイスプレジデントであるGregory Lubiniecki博士は、次のように述べています。

 「日本における子宮体がんの罹患率は、毎年着実に増加していますが、進行性または再発性の患者さんに対する治療オプションは限られていました。このたびの承認により、日本の切除不能な進行・再発子宮体がん患者さんは、化学療法に対して全生存期間と無増悪生存期間を有意に延長した初めての免疫療法とチロシンキナーゼ阻害剤の併用療法という治療オプションを手にしました」

 また、エーザイ株式会社の常務執行役 エーザイジャパンプレジデントである井池輝繁氏は、次のように述べています。

 「このたびの承認は、日本ではじめての「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法の承認となります。臨床試験にご協力いただいた多くの患者様とそのご家族、医療関係者の皆様に深く感謝いたします。本併用療法をお届けすることにより、新たな治療オプションを、進行・再発の子宮体がん患者様に提供できることを誇りに思います」