アベクマ、再発または難治性の多発性骨髄腫の効能・効果で国内承認

2022/02/16

文:がん+編集部

 CART細胞療法イデカブタゲン ビクルユーセル(製品名:アベクマ)が、「再発または難治性の多発性骨髄腫」の効能・効果で国内承認されました。

アベクマ、再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんに対し、全奏効率で統計学的に有意な改善を示す

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は2022年1月20日、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするCART細胞療法イデカブタゲン ビクルユーセルが、「再発または難治性の多発性骨髄腫」を対象とした再生医療等製品製造販売の承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、国際共同第2相試験と海外第1相試験の結果に基づくものです。

 国際共同第2相試験は、日本人9人を含む137人の再発または難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象とした試験です。主要評価項目は、全奏効率でした。外国人128人の解析の結果、全奏効率73.4%、日本人9人の解析では88.9%でした。

 安全性に関しては、97.8%の患者さんで副作用が認められました。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(84.7%)、好中球減少症(59.9%)、血小板減少症(45.3%)、貧血(38.0%)、白血球減少症(27.7%)、疲労(16.1%)、リンパ球減少症(14.6%)、低γグロブリン血症(11.7%)、発熱(10.2%)などでした。

 アベクマの臨床試験に参加した日本赤十字医療センターの石田禎夫先生は、次のように述べています。

 「本邦初のBCMAを標的とするCART製品であるアベクマが承認されました。アベクマは再発・難治性の多発性骨髄腫に苦しむ患者さんに新たなる希望をもたらす製品だと期待しています。CART製品を用いた細胞療法はまだ新しい治療で使いこなしていくためには医師だけではなく、この治療に携わる方々の協力、連携が必須であり、もちろん、企業との協力体制も同様に重要です。1日でも早く強固な治療体制を築き、アベクマを適正に使用し1人でも多くの多発性骨髄腫患者さんの治療に寄与できるように努めていきたいと考えております」