「イミフィンジ+化学療法」、局所進行または転移性胆道がんの治療薬としてFDAが優先審査対象に指定
2022/05/31
文:がん+編集部
「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+化学療法」が、局所進行または転移性胆道がんの治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)から優先審査対象に指定されました。
「イミフィンジ+化学療法」、「プラセボ+化学療法」と比較して死亡リスクを20%低下
アストラゼネカは2022年5月4日、局所進行または転移性胆道がんの治療薬として、「デュルバルマブ+化学療法」がFDAから優先審査対象に指定されたことを発表しました。今回の指定は、TOPAZ-1試験の結果に基づくものです。
TOPAZ-1試験は、肝内胆管がん、肝外胆管がんおよび胆のうがん(乳頭部がんを除く)などの切除不能な進行または転移胆道がん患者さん685人を対象に、「デュルバルマブ+化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)」と「プラセボ+化学療法」を比較した第3相試験です。主要評価項目は全生存期間、主要な副次的評価項目は無増悪生存期間、全奏効率、安全性などでした。
中間解析の結果、「デュルバルマブ+化学療法」は「プラセボ+化学療法」と比較して、死亡リスクを20%低下しました。治療開始から2年後の生存率は、「デュルバルマブ+化学療法」25%、「プラセボ+化学療法」10%と推定されました。また、無増悪生存期間の解析の結果でも、「デュルバルマブ+化学療法」は「プラセボ+化学療法」と比較して、病勢進行または死亡リスクを25%低下し、統計学的に有意な延長が認められました。「デュルバルマブ+化学療法」の安全性に関して、忍容性は概ね良好で、「プラセボ+化学療法」と比較して有害事象による治療の中止率の上昇は認められませんでした。
同社のオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraith氏は、次のように述べています。
「進行胆道がんの患者さんは、予後不良かつ治療選択肢が限られているという問題に長い間直面してきました。TOPAZ-1試験に関する最新情報は、対象疾患の患者さんに対して新しい効果的な治療法を早急に提供する必要性を明確に示しています。当社は、FDAと緊密に連携して、この深刻ながんの患者さんに免疫治療を用いた初の治療選択肢を提供するとともに、イミフィンジと化学療法の併用療法による新たな標準治療を確立できるよう取り組んでまいります」