キムリア、再発・難治性B細胞性急性リンパが急性白血病の小児・若年成人患者さんに対し寛解持続と長期生存を示す

2022/07/13

文:がん+編集部

 再発または難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病の小児および若年成人患者さんを対象に、チサゲンレクルユーセル(製品名:キムリア)を評価したELIANA試験の長期追跡結果を発表。寛解持続と長期生存が維持されていることが示されました。

キムリア、82%の患者さんがCRとCRiのいずれかを達成

 ノバルティスは2022年6月12日、再発または難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病の小児および若年成人患者さんを対象とした、チサゲンレクルユーセルのELIANA試験から得られた長期追跡結果を発表しました。

 ELIANA試験は、原発性難治性、化学療法抵抗性、同種造血幹細胞移植後に再発または同種造血幹細胞移不適格の再発または難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病の小児および若年成人患者さん79人を対象に、チサゲンレクルユーセルの有効性と安全性を評価する第3相試験です。

 主要評価項目は完全寛解(CR)または血球数回復が不完全な完全寛解(CRi)、副次的評価項目は微小残存病変検出不能のCRとCRi、寛解期間、無イベント生存期間、全生存期間、細胞動態、安全性などでした。

 最長生存追跡調査期間5.9年の解析の結果、82%の患者さんがCRとCRiのいずれかを達成しました。また、5年全生存率は55%で、投与後3か月以内に寛解が得られた患者さん65人の無イベント生存期間の中央値は43.8か月でした。安全性に関しては、新規または予測できない有害事象は報告されませんでした。

 フィラデルフィア小児病院Susan S. and Stephen P. Kelly Center for Cancer Immunotherapyのセンター長および細胞療法・移植部門の部門長を務めるStephan Grupp医学博士は、次のように述べています。

 「これらのデータは、5年後の再発が稀だという点で、再発または難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病の小児や若年成人、そのご家族にとって、大きな希望を与える瞬間となりました。5年ほど前にキムリアが承認されるまで、10%未満の5年生存率であった患者さんに真のゲームチェンジャーとなる選択肢を提供することができるようになりました」