「イミフィンジ+術前化学療法」、切除可能な非小細胞肺がんに対し病理学的完全奏効率を改善

2022/07/27

文:がん+編集部

 切除可能な非小細胞肺がんを対象に、「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+術前化学療法」を評価したAEGEAN試験で、病理学的完全奏効率の有意な改善が認められました。

「イミフィンジ+術前化学療法」、手術可能な患者数の減少は認められず

 アストラゼネカは2022年6月30日、第3相AEGEAN試験の良好な結果を発表しました。

 AEGEAN試験は、PD-L1発現に関わらず、EGFRまたはALK遺伝子変異を認めない切除可能なステージ2A~3Bの非小細胞肺がん患者さん802人に対し、周術期治療として「デュルバルマブ+化学療法」と「プラセボ+化学療法」を比較した第3相試験です。主要評価項目は病理学的完全奏効率、無イベント生存期間、主要な副次的評価項目は病理学的奏効率、無病生存期間、全生存期間、安全性、QOLなどでした。

 中間解析の結果、「デュルバルマブ+化学療法」は「プラセボ+化学療法」と比較して病理学的完全奏効率の統計学的有意かつ臨床的に意味のある改善を示しました。また、副次的評価項目の病理学的奏効率も統計学的に有意な改善が認められました。

 安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、手術可能な患者数の減少は認められませんでした。

 同社のエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジーR&Dの責任者であるSusan Galbraith氏は、次のように述べています。

 「切除可能な肺がんは早期に治療することで根治の可能性を最大限にすることができますが、術前化学療法後に手術を受けたとしても、大半の患者さんが5年以内に再発します。手術前後にイミフィンジによって免疫応答を引き出すことは、画期的な新しい戦略といえます。AEGEAN試験から得られたこれら初期の知見が、潜在的に根治可能なステージにおける肺がん患者さんの生存率改善につながることを期待しています」