ASTX727、急性骨髄性白血病の適応でEMAが申請受理

2022/09/07

文:がん+編集部

 標準的な寛解導入療法が適応とならない成人の急性骨髄性白血病の適応で、新規抗がん剤「ASTX727」の申請が欧州医薬品庁(EMA)に受理されました。

ASTX727、デシタビンにセダズリジンを加えた経口DNAメチル化阻害配合剤

 大塚製薬は2022年8月22日、成人の急性骨髄性白血病の適応で、ASTX727の医薬品販売承認申請がEMAに受理されたことを発表しました。今回の申請受理は、ASCERTAIN試験の結果に基づくものです。

 ASCERTAIN試験は、成人の急性骨髄性白血病患者さんを対象に、ASTX727とデシタビンを比較して有効性と安全性を評価した第3相試験です。試験の結果、主要評価項目の薬物動態学的同等性と安全性が確認されました。

 ASTX727は、DNAメチル化阻害薬デシタビンの有効成分に、デシタビンの分解を抑制するセダズリジンを加えた経口DNAメチル化阻害配合剤です。

 同社は、次のように述べています。

 「現在、急性骨髄性白血病の標準治療は、病院での点滴による化学療法であり、治療サイクルは通常1週間以上に及びます。急性骨髄性白血病患者さんにとって、疲労は日常生活を著しく制限し、健康関連のQOLを低下させる可能性があります。本剤が承認されれば、成人の急性骨髄性白血病患者さんを対象としたデシタビンとセダズリジンの欧州で初めての経口合剤となり、在宅でのDNAメチル化阻害配合剤による新しい治療オプションの提供につながります」