遺伝子増幅検出試薬「リノアンプCK19」、子宮頸がん、子宮体がんのリンパ節転移検査に対し適応拡大

2022/11/01

文:がん+編集部

 遺伝子増幅検出試薬「リノアンプCK19」が、子宮頸がん、子宮体がんのリンパ節転移検査に対する適応で承認されました。

がん医療の均てん化や患者さんの負担・QOLを考慮した治療方針の決定などへの貢献が期待

 シスメックスは2022年10月12日、乳がん、大腸がん、胃がん、非小細胞肺がんのリンパ節転移検査用試薬として販売している、遺伝子増幅検出試薬「リノアンプCK19」に関して、子宮頸がん・子宮体がんのリンパ節転移検査に適応拡大する製造販売承認事項の一部変更申請について、承認を取得したことを発表しました。

 子宮頸がん、子宮体がんでは、リンパ節転移の有無は進行度を決定する指標の1つで、手術方法や術後補助療法などの治療方針を決定する重要な役割を担っています。通常のリンパ節転移検査では、手術で摘出した組織を使って病理標本を作製し、手術や手術後に病理医が顕微鏡でがん細胞の有無を確認します。

 本システムによりがんリンパ節転移検査を自動化・簡便化し、検査者の熟練度に依存しない客観的な検査結果を提供することで、病理医の負担軽減だけではなく医療の均てん化や患者さんの負担・QOLを考慮した治療方針の決定などへの貢献が期待されます。

 同社は、独自技術「OSNA法」を使ってリンパ節転移を迅速に検出する「遺伝子増幅検出装置 RD-100i」および「リノアンプBC」を2008年に国内に発売し、同年に製造販売承認を乳がんで取得。2018年には、処理能力をさらに向上させた「遺伝子増幅検出装置 RD-200」および「リノアンプCK19」を発売し、保険適用を受けています。

 同社は、次のように述べています。

 「このたび、乳がん、大腸がん、胃がん、非小細胞肺がんのリンパ節転移検査用試薬として販売している「リノアンプCK19」の子宮頸がん・子宮体がんへの適応拡大について、一部変更承認を取得しました。子宮頸がん・子宮体がん患者さんのリンパ節転移検査において、本システムを用いた迅速かつ精度の高い検査結果を提供することで、適切な治療方針の決定などに貢献できることが期待されます。今後も、OSNA法によるリンパ節転移検査の普及を促進し、医療の標準化や患者さんのQOL向上に貢献します」