「イミフィンジ+化学療法」、進行胆道がんに対する治療薬としてCHMPが承認勧告
2022/12/12
文:がん+編集部
「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+化学療法」が、進行胆道がんに対する治療薬として欧州医薬品評価委員会(CHMP)より承認勧告を取得しました。
「イミフィンジ+化学療法」、最新の解析結果では化学療法と比べ死亡リスクを24%低下
アストラゼネカは2022年11月14日、切除不能または転移性胆道がん患者さんの一次治療薬としてデュルバルマブが、化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法で、欧州連合での製造販売承認の勧告を受けたことを発表しました。今回の承認勧告は、TOPAZ-1試験の主要な結果と、2022年欧州臨床腫瘍学会で発表された最新の結果に基づくものです。
TOPAZ-1試験は、肝内胆管がん、肝外胆管がんおよび胆嚢がん(乳頭部がんを除く)などの切除不能な進行または転移性胆道がん患者さん685人を対象に、「デュルバルマブ+化学療法」と「プラセボ+化学療法」を比較した第3相試験です。主要評価項目は全生存期間、主要な副次的評価項目は無増悪生存期間、全奏効率、安全性などでした。
中間解析では、「デュルバルマブ+化学療法」は「プラセボ+化学療法」と比較して、死亡リスクが20%低下。追加の6.5か月の追跡調査による最新結果では、死亡リスクが24%低下しました。また、治療開始からの2年生存率は、「デュルバルマブ+化学療法」が23.6%、「プラセボ+化学療法」が11.5%でした。
「デュルバルマブ+化学療法」の忍容性は概ね良好であり、新たな安全性上の懸念は確認されておらず、化学療法と比較して、有害事象を原因とする投与中止率の上昇は認められませんでした。グレード3または4の治療に関連する有害事象が、「デュルバルマブ+化学療法」を受けた患者さんの60.9%、化学療法の投与を受けた患者さんの63.5%で認められました。
TOPAZ-1試験の治験責任医師であり、マンチェスター大学腫瘍内科教授のJuan W. Valle氏は、次のように述べています。
「今回の肯定的見解は、予後不良で、治療選択肢が限られている欧州の進行胆道がん患者さんにとって歓迎すべきニュースです。デュルバルマブと化学療法の併用療法は、この10年間治療に大きな進展がなかったこの疾患においてようやく実現した大きな前進であり、このレジメンが承認されれば新たな標準治療となり得ると期待しています」