CLK阻害薬「CTX-712」、血液がんを対象とした第1相試験の中間解析の結果を発表

2022/12/28

文:がん+編集部

 血液がんを対象に、CLK阻害薬「CTX-712」を評価した第1相試験の中間解析の結果が発表されました。

急性骨髄性白血病・骨髄異形成症候群の患者さん8人中4人の完全寛解と1人の好中球未回復の完全寛解

 Chordia Therapeutics株式会社は2022年12月12日、第64回米国血液学会(ASH)の年次総会で、CTX-712の第1相臨床試験の中間結果および非臨床試験の結果を報告したことを発表しました。

 中間解析の結果、血液がんを対象としたコホートでは、急性骨髄性白血病および骨髄異形成症候群の患者さん8人中4人の完全寛解と1人の好中球未回復の完全寛解が認められました。薬物動態解析では、用量依存的な全身曝露量の増加が観察され、CTX-712によるマーカーmRNAのスプライシング変化が確認されました。現在は、第2相臨床試験で推奨される用量を決定するためのさらなる試験が進行中です。

 CTX-712は、細胞増殖に重要な役割を果たす RNAスプライシング反応の主要な制御因子である CLKに対する選択的な経口型の低分子阻害薬です。

 東北大学病院血液内科准教授で本発表の筆頭著者である横山寿行医師は、次のように述べています。

 「世界に先駆けて、まったく新しい作用機序の抗がん薬の第1相臨床試験に携わることができて非常に光栄です。まだ臨床試験として初期の段階ではありますが、血液がん患者様を対象とした臨床試験において半数以上の患者様で寛解が確認することが出来たことを喜ばしく思います。将来的にCTX-712が進行・再発または難治性の急性骨髄性白血病および骨髄異形成症候群の患者様に対して有効な治療薬になることを期待しています」