「リムパーザ+ザイティガ」併用療法、転移性去勢抵抗性前立腺がんに対する承認の判断期日をFDAが3か月延長

2023/02/01

文:がん+編集部

 転移性去勢抵抗性前立腺がんに対する「オラパリブ(製品名:リムパーザ)+アビラテロン(製品名:ザイティガ)+プレドニゾン/プレドニゾロン」併用療法の追加承認について、米国食品医薬品局(FDA)が目標とする審査の判断期日を3か月延長しました。

「リムパーザ+ザイティガ」併用療法、「プラセボ+ザイティガ」と比較して病勢進行のリスクを34%低下

 アストラゼネカと米メルク社は2022年12月15日、FDAが、転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬としての「オラパリブ+アビラテロン+プレドニゾン/プレドニゾロン」併用療法の追加承認申請について、さらなる審査を行うため、処方箋医薬品ユーザーフィー法に基づくFDAが目標とする審査の判断期日を3か月延長することを通知したことを発表しました。

 今回の追加承認申請は、PROpel試験の結果に基づいて提出され、2022年8月には優先審査品目に指定されていました。

 PROpel試験は、化学療法または新規ホルモン製剤による治療歴のない転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんを対象に、「オラパリブ+アビラテロン+プレドニゾン/プレドニゾロン」併用療法と「プラセボ+アビラテロン+プレドニゾン/プレドニゾロン」併用療法を比較した第3相試験です。

 主要評価項目は治験責任(分担)医師が評価した画像診断に基づく無増悪生存期間、副次評価項目は全生存期間、2回目の病勢進行または死亡までの期間、初回の後治療までの期間、QOLの評価などでした。

 解析の結果、相同組換え修復関連遺伝子変異の有無にかかわらず、転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんに対する一次治療として、「オラパリブ+アビラテロン+プレドニゾン/プレドニゾロン」併用療法は「プラセボ+アビラテロン+プレドニゾン/プレドニゾロン」と比較して、病勢進行のリスクを34%低下させ、画像診断に基づく無増悪生存期間の統計学的に有意で臨床的に意義のある延長を示しました。

 両社は今回の判断期日延長に関して、次のように述べています。

 「転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんがこの治療を受けられるように、FDAと協力していきます」