HR+/HER2-の進行/転移乳がんを対象に「イブランス+タモキシフェン」を評価したPATHWAY試験、主要評価項目を達成

2023/03/07

文:がん+編集部

 ホルモン受容体(HR)陽性/HER2陰性の進行または転移乳がん患者さんを対象に、「パルボシクリブ(製品名:イブランス)+タモキシフェン」併用投与を検討したPATHWAY試験において、統計学的に有意な無増悪生存期間の延長を示しました。

「イブランス+タモキシフェン」、「プラセボ+タモキシフェン」と比較して無増悪生存期間を有意に延長

 国立がん研究センターは2023年2月20日、PATHWAY試験の最新結果を発表しました。

 PATHWAY試験は、HR陽性/HER2陰性の閉経前・閉経後の進行または転移乳がん患者さん184人を対象に、「パルボシクリブ+タモキシフェン」併用投与と「プラセボ+タモキシフェン」併用投与を比較した第3相試験です。主要評価項目は、治験責任医師判定による無増悪生存期間、副次的評価項目は全生存期間、全奏効率、奏効期間、薬物動態、安全性などでした。

 解析の結果、「パルボシクリブ+タモキシフェン」併用投与は、「プラセボ+タモキシフェン」併用投与と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある無増悪生存期間の延長を示し、主要評価項目を達成しました。

 本試験は、国立がん研究センター主導による国際共同の医師主導治験であり、日本において新たなコラボレーションの枠組みであるClinical Research Collaborationにて国立がん研究センター、アジアのアカデミア、ファイザー株式会社の共同研究(ファイザーより資金および治験薬を提供)として実施されました。