進行/再発子宮内膜がんを対象に「キイトルーダ+化学療法」を評価した、NRG-GY018試験の中間解析結果を発表

2023/03/09

文:がん+編集部

 ステージ3、4A、4Bまたは再発子宮内膜がんを対象に、「ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+化学療法(パクリタキセルおよびカルボプラチン)」併用療法を評価したNRG-GY018試験において、主要評価項目である無増悪生存期間の延長が認められました。

「キイトルーダ+化学療法」、「プラセボ+化学療法」と比較して無増悪生存期間を有意に延長

 米メルク社は2023年2月3日、NRG-GY018試験の事前に規定された中間解析の結果を発表しました。

 NRG-GY018試験は、ミスマッチ修復機構が正常または欠損したステージ3、4A、4Bまたは再発子宮内膜がん患者さん819人を対象に、「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法と「プラセボ+化学療法」比較した第3相試験です。対象患者さんのうち、ミスマッチ修復機構の正常者が約70%、欠損者が約30%でした。主要評価項目は無増悪生存期間、副次評価項目は全生存期間、客観的奏効率、奏効期間、安全性です。

 事前に規定された中間解析の結果、ミスマッチ修復機構の状態にかかわらず「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法は「プラセボ+化学療法」と比較して無増悪生存期間の有意な延長が認められました。

 安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 治験責任医師でカリフォルニア大学サンディエゴ校の婦人科がん専門医であるRamez Eskander博士は、次のように述べています。

 「進行または再発子宮内膜がんは米国で最も多い婦人科がんですが、予後は不良で治療の選択肢も限られています。特にプラチナ製剤による術後補助化学療法後に進行し、手術や放射線治療が不適応な患者さんにおいてこの状況は顕著です。この試験で、ペムブロリズマブとカルボプラチンおよびパクリタキセルとの併用において、ミスマッチ修復機構が正常とミスマッチ修復機構が欠損の双方の集団で無増悪生存期間について統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長が認められました。この有望なデータを今後の腫瘍関連学会で発表する予定です」