転移性去勢抵抗性前立腺がんを対象に、リムパーザを評価したPROpel試験の最終結果がASCO GUで発表
2023/03/15
文:がん+編集部
転移性去勢抵抗性前立腺がんを対象に、オラパリブ(製品名:リムパーザ)を評価したPROpel試験における全生存期間の最終結果が、2023年の米国臨床腫瘍学会泌尿生殖器がんシンポジウム(ASCO GU)で発表されました。
リムパーザ、プラセボと比較して死亡リスクを19%低下するも統計学的な有意差は示さず
アストラゼネカと米メルクは2023年2月16日、PROpel試験の主要な副次評価項目である全生存期間の最終結果を、2023年のASCO GUで報告したことを発表しました。
PROpel試験は、化学療法または新規ホルモン製剤による治療歴のない転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんを対象に、「オラパリブ+アビラテロン(製品名:ザイティガ)+Prednisone/プレドニゾロン」併用療法と「プラセボ+アビラテロン+Prednisone/プレドニゾロン」併用療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次評価項目は全生存期間、2回目の病勢進行または死亡までの期間、初回の後治療までの期間などでした。
事前に規定された全生存期間の最終解析の結果、「オラパリブ+アビラテロン+Prednisone/プレドニゾロン」併用療法は「プラセボ+アビラテロン+Prednisone/プレドニゾロン」併用療法と比較して、死亡リスクを19%低下しました。全生存期間の中央値は、それぞれ42.1か月と34.7か月で、統計学的な有意差は認められれなかったものの、7.4か月の延長を示しました。
英国マンチェスターにあるChristie/Salford Royal Hospitalsおよびマンチェスター大学の泌尿器外科医および泌尿器腫瘍学教授であり、PROpel試験の上級治験担当医師であるNoel Clarke医師は、次のように述べています。
「昨年ASCO GUで発表された画像診断に基づく無増悪生存期間の主要解析の結果から、本日発表された全生存期間の最新データまで、データは試験の試験対象集団全体およびすべてのサブグループで、転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんに対してリムパーザとアビラテロンおよびprednisoneの併用療法の治療ポテンシャルを裏付けるものです。PROpel試験の結果は、転移性去勢抵抗性前立腺がんにおいて有望かつ臨床的ニーズのある新たな治療選択肢としてこの併用療法を支持するものであり、患者さんと同様にがん領域に携わる方々にとっても重要なものです」