オプジーボ、悪性胸膜中皮腫を除く悪性中皮腫への効能・効果で国内申請

2023/03/22

文:がん+編集部

 ニボルマブ(製品名:オプジーボ)の「悪性中皮腫(悪性胸膜中皮腫を除く)」に対する効能・効果について、国内承認申請が行われました。

悪性胸膜中皮腫に対しては、オプジーボ単剤療法と「ニボルマブ+ヤーボイ」併用療法が承認済み

 小野薬品工業株式会社は2023年2月28日、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体であるニボルマブについて、悪性中皮腫(悪性胸膜中皮腫を除く)に対する効能または効果の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったことを発表しました。今回の承認申請は、VIOLA試験の結果に基づくものです。

 VIOLA試験は、化学療法既治療または未治療の悪性中皮腫(悪性胸膜中皮腫を除く)を対象に、ニボルマブの有効性および安全性を評価す医師主導による第2相試験です。主要評価項目は中央判定の奏効率、副次評価項目は医師判定の奏効率、病勢制御率、全生存期間、無増悪生存期間などでした。

 悪性中皮腫のうち、悪性胸膜中皮腫に対しては、国内で2018年8月にニボルマブ単剤療法、2021年5月に「ニボルマブ+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」併用療法が承認されています。悪性胸膜中皮腫を除く悪性中皮腫に対して国内外で承認された薬剤はなく、標準治療が未だ確立されていないため、薬剤の開発が切望されています。

 ニボルマブは、2023年2月22日に悪性中皮腫(悪性胸膜中皮腫を除く)を効能または効果とする希少疾病用医薬品の指定を厚生労働省より受け、優先審査の対象となっています。