オプジーボ、根治切除後のステージ2B/Cの悪性黒色腫に対する術後補助療法としてFDAとEMAが申請を受理

2023/03/24

文:がん+編集部

 根治切除後のステージ2B/Cの悪性黒色腫に対する術後補助療法として、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)単剤療法の承認申請を米国食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)が受理しました。

オプジーボ、プラセボと比較して再発または死亡リスクを58%低下

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2023年2月28日、FDAとEMAが、根治切除後のステージ2B/Cの悪性黒色腫患者さんに対する術後補助療法として、ニボルマブ単剤療法の一部変更承認申請を受理したことを発表しました。今回の申請は、CheckMate-76K試験の結果に基づくものです。

 CheckMate-76K試験は、根治切除後のステージ2B/Cの悪性黒色腫患者さんを対象に、術後補助療法としてニボルマブ480mg(4週間間隔で最長12か月投与)とプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目は無再発生存期間、副次評価項目は全生存期間、無遠隔転移生存期間、次治療での無増悪生存期間、安全性評価項目などでした。

 試験の結果、ニボルマブはプラセボと比較して再発または死亡リスクを58%低減し、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無再発生存期間の改善が認められました。12か月時点での無再発生存率は、ニボルマブ89%、プラセボ79%でした。

 安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。グレード3または4の治療に関連する有害事象の発現率は、ニボルマブ10%、プラセボ2%でした。有害事象関連の投与中止率は、ニボルマブ15%、プラセボ3%でした。

 同社のバイスプレジデント兼開発プログラム責任者であるGina Fusaro氏は、次のように述べています。

 「悪性黒色腫は深刻な疾患になる可能性があり、ステージ2B/Cの悪性黒色腫の患者さんでは再発リスクが高くなる傾向があります。ステージ2Bでは約3分の1、ステージ2Cでは約半数の患者さんが術後5年以内に再発を経験しておられます。CheckMate-76K試験のデータは、この早期ステージのがん患者さんにおいてオプジーボによるベネフィットが示されており、ステージ2B/Cの悪性黒色腫患者さんの再発予防に役立つ治療選択肢として提供できるようFDAおよびEMAと協働してまいります」