Claudin18.2陽性/HER2陰性の胃がんに対しゾルベツキシマブを評価したGLOW試験の良好な結果をASCOで発表

2023/04/11

文:がん+編集部

 Claudin18.2陽性、HER2陰性の切除不能な局所進行性または転移性胃腺がんおよび食道胃接合部腺がんの一次治療薬として、ゾルベツキシマブを評価したGLOW試験に関する良好な結果が米国臨床腫瘍学会(ASCO)Plenary Series で発表されました。

ゾルベツキシマブ、プラセボと比較して病勢進行または死亡リスクを31.3%減少

 アステラス製薬株式会社は2023年3月22日、ゾルベツキシマブを評価したGLOW試験に関する結果をASCO Plenary Series で報告したことを発表しました。

 GLOW試験は、Claudin18.2陽性、HER2陰性、切除不能な局所進行性または転移性の胃腺がんおよび食道胃接合部腺がん患者さん507人を対象に、一次治療として「ゾルベツキシマブ+CAPOX療法(カペシタビン+オキサリプラチン)」と、「プラセボ+CAPOX 療法」を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は全生存期間、客観的奏効率、奏効期間、安全性、忍容性、QOLなどでした。

 解析の結果、「ゾルベツキシマブ+CAPOX療法」は「プラセボ+CAPOX療法」と比較して、病勢進行または死亡リスクが31.3%減少し、統計学的に有意な無増悪生存期間の延長が認められました。無増悪生存期間の中央値は、それぞれ8.21か月と6.80か月でした。

 また、主な副次評価項目である全生存期間でも統計学的に有意な延長を示し、死亡リスクが 22.9%低下しました。全生存期間の中央値は、それぞれ14.39か月と12.16か月でした。

 治験薬投与下の重篤な有害事象の発現割合は、「ゾルベツキシマブ+CAPOX療法」と「プラセボ+CAPOX療法」で類似しており、これまでの試験と一致していました。「ゾルベツキシマブ+CAPOX療法」で最も発現頻度の高かった有害事象は、悪心(68.5%)、嘔吐(66.1%対)、食欲減退(41.3%)でした。

 同社は、次のように述べています。

 「今後、GLOW試験および SPOTLIGHT試験の結果に基づき、グローバルで規制当局への申請を行う予定です。ゾルベツキシマブは、承認された場合、ファーストインクラスの抗 Claudin18.2モノクローナル抗体となる可能性があります。アステラス製薬は、患者さんに新たな治療選択肢を提供することで、アンメットメディカルニーズの高い胃腺がんおよび食道胃接合部腺がんの治療に貢献していきます」