切除不能または転移性悪性黒色腫を対象にハイヤスタを評価する第3相試験が開始
2023/05/17
文:がん+編集部
免疫チェックポイント阻害薬による治療歴がない切除不能または転移性悪性黒色腫を対象に、ツシジノスタット(製品名:ハイヤスタ)を評価する第3相試験が開始されました。
ハイヤスタ、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害する免疫調整薬
Meiji Seikaファルマ株式会社は2023年4月25日、日本人悪性黒色腫患者さんを対象に、ツシジノスタットを評価する臨床試験を開始したことを発表しました。
同試験は、免疫チェックポイント阻害薬であるPD-1、PD-L1阻害剤での治療歴がない切除不能または転移性悪性黒色腫患者さん480人を対象に、「ツシジノスタット+ニボルマブ(製品名:オプジーボ)」と「プラセボ+ニボルマブ」の有効性と安全性を比較する第3相試験です。
ツシジノスタットは、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害する免疫調整薬です。HDACを阻害し、ヒストンというタンパク質に巻き付いているDNAを緩めることで、がん細胞を抑制する遺伝子を活発化し、がん細胞の増殖を抑えます。
ツシジノスタットは、「再発または難治性の成人T細胞白血病リンパ腫」と「再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫」の適応で国内承認されています。また、再発または難治性のB細胞性非ホジキンリンパ腫を対象に、「ツシジノスタット+リツキシマブ」を評価する第1b/2相試験が国内で実施されています。
同社は、次のように述べています。
「Meiji Seikaファルマは、HBI-8000が血液腫瘍に加え、悪性黒色腫に対する新たな治療選択肢となり、患者さんの予後とQOLの向上に貢献できるよう取り組んでまいります」