「リムパーザ―+ザイティガ」、BRCA陽性前立腺がんに限定すべきとFDAが評価
2023/05/26
文:がん+編集部
転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として申請中の「オラパリブ(製品名:リムパーザ―)+アビラテロン(製品名:ザイティガ)」併用療法に対し、米国食品医薬品局(FDA)が「BRCA遺伝子変異陽性の患者さんに限定すべき」と評価しました。
PROpel試験では、「リムパーザ―+ザイティガ」はザイティガと比較して病勢進行または死亡リスクを34%低下
アストラゼネカと米メルクは2023年4月28日、FDA抗がん剤諮問委員会による、転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として「オラパリブ+アビラテロン」併用療法に対する評価の最新情報を発表しました。
去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として「オラパリブ+アビラテロン」併用療法は、2022年8月にPROpel試験の良好な結果に基づき、FDAから優先審査指定を取得していました。その後、同年12月に審査の判断期日が3か月延長されることになりました。
今回、FDAはBRCA遺伝子変異陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がんに対する治療薬としての良好なベネフィット・リスクプロファイルは認めつつ、11対1(棄権1)で本併用療法の適応症をBRCA遺伝子変異陽性患者さんに限定すべきと評価しました。
Genesis Careの泌尿器科および腫瘍外科学のチーフメディカルオフィサーであり、PROpel試験の治験責任医師であるNeal Shore氏は、次のように述べています。
「今回のFDA抗がん剤諮問委員会による勧告は、前立腺がん患者さんおよび臨床医にとって残念なニュースであると感じています。画像診断に基づく進行の予防または遅延は、がん治療を評価する上で重要な臨床的評価項目であり、患者さん、その介護者およびご家族にとっても非常に関心ある事項です。がん治療の成果を最適化することを目標に、医師と患者さんが治療選択する機会を持つことは不可欠です」