切除可能なステージ2~3B非小細胞肺がんを対象に、キイトルーダを評価したKEYNOTE-671試験の結果を発表
2023/07/24
文:がん+編集部
切除可能なステージ2~3Bの非小細胞肺がんを対象に、周術期療法としてペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)を評価したKEYNOTE-671試験の結果を発表。無イベント生存期間の改善が認められました。
キイトルーダ術前術後療法、プラセボと比較して疾患の再発、進行または死亡リスクを42%低下
米メルク社は2023年6月3日、KEYNOTE-671試験の結果を発表しました。
KEYNOTE-671試験は、切除可能なステージ2~3Bの非小細胞肺がん患者さん797人を対象に、術前補助療法「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法と手術後に行われるペムブロリズマブ単独での術後補助療法を、術前「プラセボ+化学療法」とその後のプラセボによる術後療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無イベント生存期間、全生存期間、副次的評価項目は病理学的完全奏効、病理学的奏効などでした。
解析の結果、「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法は「プラセボ+化学療法」と比較して、無イベント生存期間を有意に改善し、疾患の再発、進行または死亡リスクを42%低下させました。
サブグループの解析では、「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法は「プラセボ+化学療法」と比較して、PD-L1発現別、組織型別、病期別に関わらず一貫して無イベント生存期間の改善が示されました。
また、病理学的完全奏効の達成は良好な予後の予測因子ですが、探索的サブグループ解析の結果、「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法における疾患の再発、進行または死亡リスクの減少は、病理学的完全奏効が得られたかどうかにかかわらず認められました。
安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
呼吸器腫瘍内科医で、スタンフォード大学医学部教授、International Association for the Study of Lung Cancerのプレジデント、KEYNOTE-671試験の首席治験責任医師のHeather Wakelee博士は、次のように述べています。
「従来、手術で切除した早期の非小細胞肺がんの半数以上が再発しています。この試験結果では、術前および術後のペムブロリズマブ群では術前の化学療法群と比較して、PD-L1の発現状況や病理学的完全奏効が得られたかどうかにかかわらず、再発、進行または死亡のリスクが42%と有意に低下しました。この非常に有望な無イベント生存期間データは、切除可能な2期、3A期、3B期の非小細胞肺がん患者さんに対するこの周術期療法の可能性を示すものです」