再発または難治性の濾胞性リンパ腫に対し「デュオボディ」を評価したEPCORE NHL-1試験の最新結果発表

2023/08/09

文:がん+編集部

 再発または難治性の濾胞性リンパ腫に対し、「エプコリタマブ(製品名:デュオボディ)」を評価したNHL-1試験の最新結果が発表されました。

全奏効率82%、事前に規定された有効性の閾値を上回る

 ジェンマブ株式会社とアッヴィ合同会社は2023年6月28日、EPCORE NHL-1試験の濾胞性リンパ腫コホートから得られた最新結果を発表しました。

 EPCORE NHL-1試験は、濾胞性リンパ腫含む再発、進行または難治性のCD20陽性成熟B細胞非ホジキンリンパ腫患者さんを対象に、エプコリタマブの安全性と予備的有効性を評価した第1/2相試験です。第1相投与量漸増パート、第2相拡大パート、最適化パートの3つのパートで構成されています。

 拡大パートの主要評価項目は全奏効率、副次的評価項目は奏効期間、完全奏効率、完全奏効期間、無増悪生存期間、奏効までの期間などでした。この試験の濾胞性リンパ腫コホートでは、2回以上の全身療法を受けた再発または難治性の濾胞性リンパ腫の成人患者さん128人が対象となり、そのうち抗CD20モノクローナル抗体およびアルキル化剤の2種類の治療に不応な患者さんが70.3%でした。

 このコホートにおける解析の結果、全奏効率は82%で、治験実施計画書で事前に規定された有効性の閾値を上回りました。観察された奏効期間の中央値には到達していませんでした。

 安全性に関しては、解析時点ではエプコリタマブの新たな安全性のシグナルは確認されませんでした。最も多く認められた有害事象は、サイトカイン放出症候群(66.4%、グレード 3 以上の事象は 1.6%)でした。

 ジェンマブの最高経営責任者であるJan van de Winkel医学博士は、次のように述べています。

 「今回のトップライン結果は、新たな治療選択肢を必要としている再発または難治性の濾胞性リンパ腫患者さんを勇気づけるものです。パートナーであるアッヴィとともに、私たちはエプコリタマブをB細胞性悪性腫瘍全体の将来の中核的な治療となりうるものとして、さらなる検証に注力していきます。本コホートから得られた詳細な結果については、今後開催される医学学会において発表するとともに、世界各国の規制当局と協議することを心待ちにしています」