抗エストロゲン薬、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果を改善できると判明

2023/09/04

文:がん+編集部

 抗エストロゲン薬の投与により、エストロゲン感受性を持たない腫瘍も抑制され、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果を改善できることが解明されました。

全がん腫を対象としたドラッグリポジショニング戦略の確立に期待

 北海道大学は2023年8月4日、抗エストロゲン薬の投与により、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果が改善できることを解明し、British Journal of Cancer誌にオンライン掲載されたことを発表しました。同大大学院医学院博士課程の梶原ナビール氏、遺伝子病制御研究所の清野研一郎教授らの研究グループによるものです。

 エストロゲンは、エストロゲン感受性を持つ腫瘍にのみ及ぶと考えられてきました。研究グループは、エストロゲン感受性を持たない腫瘍においても、エストロゲンが免疫系を抑制することで腫瘍の成長を促進していることを発見。また、抗エストロゲン薬の投与によりエストロゲンの働きを遮断すると、その免疫抑制が解除され、腫瘍の成長を遅延させることを明らかにしました。さらに、免疫チェックポイント阻害薬と併用することで劇的な抗腫瘍効果を得られることが判明しました。

 研究グループは今後への期待として、次のように述べています。

 「抗エストロゲン薬を腫瘍微小環境改善剤として既存治療(免疫チェックポイント阻害剤や抗がん剤)に追加使用することで抗腫瘍効果を改善できる可能性があります。今後臨床研究などがなされ、抗エストロゲン薬の臨床適応が拡大するドラッグリポジショニング戦略の確立が期待されます」