前治療歴がある小細胞肺がん患者さんを対象に「DS-7300」を評価した第1/2相試験の結果を発表

2023/10/10

文:がん+編集部

 複数の前治療歴がある小細胞肺がん患者さんを対象に、抗体薬物複合体「DS-7300」を評価した第1/2相試験のサブグループ解析の結果が発表されました。

DS-7300、抗B7-H3抗体に4個のトポイソメラーゼI阻害薬を結合させた抗体薬物複合体

 第一三共株式会社は2023年9月11日、DS-7300を評価した第1/2相試験における、複数の前治療歴がある小細胞肺がん患者さんの最新サブグループ解析結果を世界肺がん学会で報告したことを発表しました。

 DS-7300は、小細胞肺がんを含むさまざまながん種で過剰発現しているタンパク質「B7-H3」に対する抗体「抗B7-H3抗体」に、4個のトポイソメラーゼI阻害薬を結合させた抗体薬物複合体です。

 用量漸増パートに登録された、化学療法による前治療歴のある小細胞肺がん患者さん21人のサブグループ解析の結果、客観的奏効率は52.4%(完全奏効1人、部分奏効10人)でした。また、奏効期間の中央値は5.9か月、無増悪生存期間の中央値は5.6か月、全生存期間の中央値は12.2か月でした。

 安全性に関しては、新たな安全性シグナルは認められず、本試験の全患者グループと同様の傾向でした。グレード3以上の有害事象は36.4%の患者さんで認められ、1人の患者さんがグレード2の間質性肺疾患と判定されました。

 同社は、次のように述べています。

 「本試験結果に基づき、現在進行中の進展型小細胞肺がん患者さんを対象とした第2相臨床試験を含め、本剤の開発を加速させてまいります」