非小細胞肺がんの一次治療として「ダトポタマブ デルクステカン+イミフィンジ」を評価した臨床試験の結果を発表

2023/10/11

文:がん+編集部

 治療ターゲットとなる遺伝子変異のない再発または進行性の非小細胞肺がんの一次治療として、「ダトポタマブ デルクステカン+デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)」併用療法を評価したTROPION-Lung04試験の中間解析結果が発表されました。

「ダトポタマブ デルクステカン+イミフィンジ」、客観的奏効率50.0%、病勢コントロール率92.9%

 第一三共株式会社は2023年9月11日、TROPION-Lung04試験の中間解析データを世界肺がん学会で報告したことを発表しました。

 TROPION-Lung04試験は、治療ターゲットとなる遺伝子変異のない再発または進行性の非小細胞肺がんを対象に、一次治療として「ダトポタマブ デルクステカン+デュルバルマブ」併用療法を評価した第1b相試験です。

 「ダトポタマブ デルクステカン+デュルバルマブ」併用療法を受けた患者さん14人についての解析の結果、客観的奏効率は50.0%(部分奏効7人)、病勢コントロール率は92.9%でした。また、「ダトポタマブ デルクステカン+デュルバルマブ+プラチナ製剤」併用療法を受けた患者さん13人では、客観的奏効率は76.9%(部分奏効10人)、病勢コントロール率は92.3%でした。

 安全性に関しては、新たな懸念は認められませんでした。グレード3以上の有害事象は、「ダトポタマブ デルクステカン+デュルバルマブ」併用療法は42.1%、「ダトポタマブ デルクステカン+デュルバルマブ+プラチナ製剤」併用療法では71.4%の患者さんに認められました。間質性肺疾患については、4人(グレード1が1人、グレード2が2人、グレード4が1人)が薬剤と関連ありと判定され、グレード5(死亡)は認められませんでした。

 同社とアストラゼネカ社は、次のように述べています。

 「Actionable遺伝子変異のない非小細胞肺がん治療に新たな選択肢を提供できるよう、本試験および現在進行中の第3相臨床試験(TROPION-Lung07およびTROPION-Lung08等)を通じて、本剤と免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の開発を加速させてまいります」