切除可能な非小細胞肺がんを対象に「オプジーボ+化学療法」を評価したCheckMate-816試験の追跡調査結果を発表
2023/11/22
文:がん+編集部
切除可能な非小細胞肺がんを対象に、術前補助療法として「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+化学療法」を評価したCheckMate-816試験について、3年間の追跡調査結果が発表されました。
「オプジーボ+化学療法」、術前補助療法としてPD-L1発現レベルにかかわらず、無イベント生存期間の維持および全生存期間が改善傾向
ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2023年10月17日、CheckMate-816試験の3年間の追跡調査結果を発表しました。
CheckMate-816試験は、PD-L1発現レベルにかかわらず、切除可能なステージ1B~3Aの非小細胞肺がん患者さんを対象に、術前補助療法として「ニボルマブ+化学療法」併用療法と化学療法と比較した第3相試験です。主要評価項目は無イベント生存期間、病理学的完全奏効、副次評価項目は全生存期間、Major Pathological Response、死亡または遠隔転移までの期間などでした。
3年間の追跡調査の結果、「ニボルマブ+化学療法」併用療法(3サイクル)の術前補助療法は、PD-L1発現レベルにかかわらず、無イベント生存期間の維持および良好な全生存期間の改善傾向を示しました。また、「ニボルマブ+化学療法」併用療法による術前補助療法は、化学療法と比較して、PD-L1発現レベルが1%以上および1%未満の患者グループで、病理学的完全奏効およびMajor Pathological Responseの改善も示しました。安全性に関しては、PD-L1サブグループ全体で安全性プロファイルは一貫していました。
スペインのマドリードにあるプエルタ・デ・イエロ大学病院腫瘍内科部門のMariano Provencio Pulla医学博士は、次のように述べています。
「オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法の3年間のデータは、切除可能な非小細胞肺がんの治療において、引き続き統計学的に有意かつ臨床的に意義のある結果を示しており、長期ベネフィットの可能性という希望を患者さんにもたらします。免疫療法薬を含む併用療法によるこの術前補助療法が、有効性の評価全体で改善を示していることに勇気づけられています。この改善は、高いアンメットニーズに直面し、本試験の患者集団の約40%を占めるPD-L1非発現のサブグループを含め、PD-L1発現レベルにかかわらず認められました。CheckMate-816試験のデータは、このレジメンが化学療法単独と比較して、患者さんにより良いアウトカムをもたらす可能性をはっきりと示しています」