MSS進行大腸がんを対象にオプジーボとレラトリマブ固定用量配合剤を評価した臨床試験の最新情報を発表

2024/02/22

文:がん+編集部

 治療歴があるマイクロサテライト安定性(MSS)の進行大腸がんを対象に、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)とレラトリマブの固定用量配合剤を評価したRELATIVITY-123試験の最新情報が発表されました。

RELATIVITY-123試験、主要評価項目を達成する可能性が低いと判断されたため中止

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2023年12月15日、RELATIVITY-123試験の最新情報を発表しました。

 RELATIVITY-123試験は、進行疾患に対する1回以上4回以下の前治療後に疾患進行したMSSの進行大腸がん患者さん約700人を対象に、ニボルマブとレラトリマブの固定用量配合剤とレゴラフェニブ(製品名:スチバーガ)またはトリフルリジン+チピラシル(製品名:ロンサーフ)を比較した第3相試験です。主要評価項目は全患者さんを対象とした全生存期間、PD-L1のCPSが1以上の患者さんを対象とした全生存期間でした。副次評価項目は奏効率、無増悪生存期間、奏効期間、安全性、身体機能、生活の質の明らかな悪化までの時間などでした。

 あらかじめ計画された独立データモニタリング委員会による解析の結果、試験終了時に主要評価項目を達成する可能性が低いと判断され、無益性により中止されることになりました。試験中止の勧告は、安全性への懸念に基づいたものではなく、この試験での安全性プロファイルは、これまでに報告されているものと一貫していました。

 同社のバイスプレジデント兼グローバルプログラム責任者であるJeffrey Walch医学博士は、次のように述べています。

 「進行大腸がんはアンメットニースが高く、治療困難ながんです。高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)大腸がん患者の治療は進歩していますが、MSS大腸がん患者に対しては、後期治療では依然として治療選択肢が限られています。これまで、免疫療法のMSS大腸がんに対する有効性は限定的であり、私たちはこの患者集団に対して意義のある臨床的ベネフィットを示すものと期待していましたので、今回の結果には失望しています。ブリストル マイヤーズ スクイブは、引き続き、MSI-HまたはdMMR大腸がんに対してオプジーボとヤーボイを含む免疫療法薬の開発に取り組んでまいります。本試験にご参加いただいた治験担当医師、患者さんおよびその愛する方の皆様に感謝の意を表明します」